
闇の地下リング「陥落プロレス」
〜不屈のキャプテン、松田里奈 陥落の記録〜
地下格闘技界の最底辺に位置する、法も倫理も通用しない暗黒の聖域。勝てば一夜にして億単位の大金を手にし、敗北すれば、その人間の尊厳、プライド、そして肉体のすべてが「凌辱」という名の代償として支払われることを意味するという欲望のドリームチャンス。
今回の舞台も薄暗いコンクリート製の地下施設。空気は湿り気を帯び、汗と血と欲望の匂いが混じり合っていた。
観客席は鉄パイプの椅子が並ぶだけで、照明はリング上だけが異様なまでに明るい。そこは法も道徳も通用しない
入場口の鉄扉が重々しく開く音が響いた。
今夜、その血生臭いリングに、一人の少女が足を踏み入れた。
熱気とヤニの臭いが立ち込める会場に、鋭い眼光を湛えた松田里奈が姿を現した。彼女はチンピラのグループの看板を背負い、荒くれ者たちを束ねる「キャプテン」としての誇りを胸に、この地獄の門を叩いたのだ。
彼女が身に纏うのは、背中に派手な虎の刺繍が入ったスカジャンに、あえてサイズを外したダボつきのあるスウェットパンツ。まるで街のチンピラがそのまま来た出で立ち。
その「チンピラ風」の装いは、決して弱みを見せないという彼女なりの虚勢と、泥水を啜ってでも勝利を掴むという決意の表れだった。
「……キャプテンとして、こんなふざけた連中に負けるわけにはいかないのよ!」
松田の声が響く。
対戦相手は、地下の番人・別府
別府はこの地下リングでは名の知れた「破壊者」と呼ばれており、筋肉質の巨体に、顔には無数の傷跡。口元には下卑た笑みが浮かんでいる。
「威勢がいいのは口だけか? その尖った態度、すぐに泣き言に変えてやるよ」