§第6章§
05
「咲良さん、肉まん食べませんか?」

「いらない。」

プールサイドに寝そべっている咲良に真子は半分に割った肉まんを差し出すが、彼女は即座に断る。

「でも、肉まん温かくて美 味しいっすよ!」

「いらない。」

さらに真子は勧めようとするが、咲良は聞く耳を持たない様子で断りながら上体を起こした。

「ほら、やっぱりカレーまんか良かったんだよ。咲良さんはスパイシーな……」

南那が真子へと文句を口にしようとするが、咲良が鞄を漁り始めた為に2人は注目をする。

「咲良さん……?」

「何でメロンパンなんか……」

「関係無いだろ。」

彼女が鞄から取り出したメロンパンを見て真子と南那は唖然としながらも尋ねるが、咲良は2人の反応を気にする事無く袋を開けた。

「いやいやいや、他に舎弟が居るんですか!?」

「橘さんから貰った。……これで満足か。」

咲良の視線の先に2人は回り込んでから南那が尋ねると、彼女は立ち上がると簡単に答えて校舎に向かおうとする。

「ちょっと待ってください!なんで橘先輩の事さん付けになってるんですか!?」

「橘さんが年上、それだけだ。」

今度は真子が疑問を口にすると、咲良は2人の顔を見ようともせずに淡々と答えてから真子と南那の前を通り過ぎた。

「けど……」

「しつこい。……お前の邪魔をする気は無い。それで良いだろ。」

再び回り込んだ真子は心配を口にしようとするが、うんざりとした様子で咲良は答える。

「咲良さん……」

「カミソリ、落ち込むのは分かるけどな……」

「私の事、そんなにしっかり知ってくれてたんですね!」

歩いていく咲良の背中に真子は小さな声で名前を呼ぶと、南那は彼女を励まそうとした。
しかしながら次の瞬間、真子は嬉しそうな声を上げて咲良に着いていく。

「駄目だ……こいつ。」

真子の変わりように南那は驚きのあまり一瞬硬直するが、首を小さく横に振って呟いてから2人の後を追いかけた。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

同時刻。
ラッパッパの部室に杏奈が帰ってくると、スクワットをしている李奈を見つけて相手の近くに歩み寄った。

「お前、まだあの転校生とやるつもりか?」

「まだじゃねぇ、まだまだ……まだやる!次はぜってぇ勝つ!」

冷めた目で相手を見ながら杏奈は尋ねるが、李奈はスクワットを休む事無く行いながら問いに対して答える。

「あんたは、なんて言うんやろうな……懲りひん馬鹿っていうか、懲りひんから馬鹿っていうか。」

2人の会話を聞いていた由依も半ば呆れたように告げていたがその直後、自室から遥香が姿を現すと全員の視線が彼女に集まった。

「さくらの拳は…重かったか?」

「めっちゃ、重かったす!半端ねえ馬鹿力!」

「そうか……そんなに重かったか。」

尋ねられた李奈は興奮した様子で答えると、遥香は小さく笑いながらどこか嬉しそうに言葉を返してからラッパッパの部室を後にする。

「いっそのことさぁ……あんたら負け組のどっちかが降りて、咲良を四天王に入れてあげれば?」

遥香が姿を消した後にゆりあが杏奈と李奈を見てから意地悪に笑って告げると、それを聞いた由依は椅子を蹴飛ばしてゆりあを睨み付けた。

「もいっぺん、言ってみ。アンタの口引き裂いて二度と喋れんようにしたんで。」

「何熱くなってんの?」

鋭い視線を由依から向けられるが、ゆりあは嘲笑しながら言うと出口に向かって歩きだす。

「私ら四天王はな、誰かてそんな半端な気持ちでマジ女背負ってへんねん。」

「私は、こいつらとは一緒にされたくない。」

「あんた……咲良に別な恨みとか抱いてる訳やないよな?」

出ていこうとするゆりあに真剣な口調で言うが、彼女は聞く耳を持たない様子で返事をした。
しかしながら、由依の問いかけを受けてゆりあは足を止める。

「……あんた達には関係無い。結果的に咲良は私が潰す。……それで満足だろ。」

今度はゆりあが由依を睨み付けるようにしながら答えると、乱雑にドアを開けるようにして部屋を出ていった。

■筆者メッセージ
コメント下さった方ありがとうございました(礼)
やっぱり大半の方が反対されますね(笑)
……さくっと終わらせるかなぁ(小声)

あ、りゅーマジ派も居るのか。
こらるめんて ( 2015/10/31(土) 22:24 )