§第6章§
02
「大丈夫ですか!?橘先輩!」

傷だらけになりながら壁に寄り掛かる形で座っている彼を見つけて、真子は相手の肩を揺すりながら名前を呼ぶ。

「橘先輩、橘先輩!」

「ん……真子……ちゃん……?」

意識を戻そうと何度も名前を呼び続けると、やがて隆治はゆっくりと目を開けて自らの肩を掴む相手の名前を呼んだ。

「良かったぁ!」

「ほらカミソリ、さっさと離れろ!」

安堵した真子は彼に抱きつこうとするが、それを見た南那がすかさず彼女の襟を掴むと隆治から引き離す。

「……宮脇さん。」

「何があった。」

咲良が様子を伺うように膝を着くと隆治は驚いたように彼女の名前を口にするが、咲良はいつも通りの声色で彼へと問い掛けた。

「別に宮脇さんは……」

「答えてくれ、何があったんだ?」

彼女が気にする理由が思い当たらない為か隆治は否定しようとするが、咲良は彼の両肩に手を置いて真剣な様子で繰り返す。

「光くんがヨガを挑発して、その怒りがこっちに飛んできた感じかな。」

「光さんらしいというか、何と言うか……」

「いや、最低だろ!」

彼から告げられた無いように南那は腕を組ながらどこか納得したように言うが、納得がいかない真子は不満の声を上げた。

「巻き込んだみたいだな……すまない。」

謝罪した事に驚いたのか、真子と南那は議論を中断して目を丸くしなかがら咲良へと視線を向ける。

「いや、宮脇さんは悪くないよ!ラッパッパに勝って、むしろ誇るべきなんだから!」

謝罪をされた事が申し訳ないと思ったのか、隆治は痛みに耐えながらも彼女に笑いかけた。

「しかし……何故身を守らなかった?お前なら……」

「おい!」

以前の手合わせで彼の実力を知っている事もあり咲良は隆治へと尋ねようとするが、その問いは大声で呼び掛ける声にかき消される。

「見つけたぞ……転校生、宮脇咲良!」

「こんな時に……」

「次はバカモノか。」

興奮した様子で名前を呼ぶ川栄李奈を見て、真子と南那は面倒そうに告げると咲良と李奈の間に移動をした。

「誰も、お前らに話してないから。」

「はぁ?」

「咲良さんとやるなら……」

邪魔をされた事で苛立つ李奈に真子は戦闘の構えを取ろうとするが、2人の間を抜けて咲良が李奈の前に立つ。

「やる気満々で嬉しいよ。裏庭に来い……そこで相手してやる。」

李奈は嬉しそうににやりと笑うようにしてから場所を告げると、手を振りながらその場を後にした。

「勝手に決めやがって!」

「咲良さん、まさか……」

「逃げるつもりは無い。私はてっぺんを目指すだけだ。」

南那が憤慨する中で真子は心配するように声を掛けるが、咲良は淡々と答えながら指定された場所へと向かおうとする。

「……宮脇さん。」

そんな彼女の背中に隆治が声を掛けると、咲良は振り替えって彼へと目を向けた。

「さっきの質問に答えるよ。……さっきの状態では、攻撃を受けるのが正解で……勝ちだったんだよ。」

先程中断をされた質問へと隆治が答える間、咲良は真っ直ぐに彼を見つめながら耳を傾ける。

「……私には分からない。」

「ふふっ、そっか。」

去り際に残していった咲良の回答に笑って返事をすると、裏庭に足を進めていく彼女を見送った。

■筆者メッセージ
本当に、りゅーカミ派が増えてます。
りゅーさく派も居ます。
ゲキカラちゃんに、怒られますよ?(笑)
こらるめんて ( 2015/10/28(水) 23:25 )