§第4章§
07
「テメェ!卑怯だぞ!」

「同じ水鉄砲使えよ!」

「あはははっ!卑怯もラッキョウもあるものかぁ!」

光は楽しそうに笑いながら電動式のウォーターガンを使って火鍋のメンバーに一方的に放水をする。

「光さん、楽しそう。」

「あんな奴のどこが……」

笑いながら呟く南那に真子が反論しようとするが、光から狙いを定められると物陰に隠れて放水から逃れた。

「だから、あいつのどこか良いんだよ!」

「分かんない、分かんないけど……」

「誰かぁ!誰でも良いから居ないの!?」

放水から逃れながら南那と真子は会話を行っていたが、声を上げながら帰って来た莉乃へと全員の視線が集まる。

「あれ?莉乃ちゃんどうしたの?」

「ヤバイ奴ら、ヤバイ奴らに絡まれたから!」

「ヤバイ奴ら?」

必死に莉乃が説明をしていると、彼女が来た方向の背後から10人の柄の悪い男女が姿を現した。

「おい、何逃げようとしてんだよ。」

「ちゃんと落とし前つけろや。」

現れた男女のリーダーらしき人物が莉乃を睨み付けながら言うと、グループの中のメンバーの1人がその後に続けて口を開く。

「莉乃ちゃん……何したの?」

「自動販売機で飲み物買っただけだから!10人に1人とか無理だから!」

現状に光は呆れたように理由を尋ねるが、莉乃は混乱した様子で必死に声を上げた。

「どうしたの?何事?」

「あっ!橘さん、咲良さん!」

調度そのタイミングで隆治と咲良が戻ってくると、真子は目を輝かせながら嬉しそうな声色で2人の名前を呼ぶ。

「おいおい、こんなに女侍らせて今から何するつもりだったんだ?」

小馬鹿にするように告げてから品無く笑う10人を見て、隆治と光は呆れたように顔を見合わせた。

「宮脇さん、調度良い機会かも。さっきの事、意識してやってみてね。」

「……言われなくてもな。」

その後頷いた光を見て隆治が咲良へと告げると、彼女は静かに返事をしながら10人の前に歩み寄る。

「ちょっと私達も……」

「本気出しちゃって良いよな?」

その咲良の動きに触発されてか朱里と真子がどこか嬉しそうに告げると、1年生の2人組と火鍋のメンバーも柄の悪い10人の相手と対峙をした。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

「て、テメェら覚えてろよっ!」

数分後、ほとんど一方的にやられた柄の悪い10人は、悔しげな声を上げながら逃げるようにその場を立ち去った。

「ま、マジすか学園最強の1年と2年、期待のホープ……あとよく分からん男2人なら当然の結果でしょ。」

逃げる連中の背中を見ながら、莉乃は得意気な表情を浮かべながら自信満々に告げる。

「へぇ……咲良ちゃんかなり良くなったね。」

「流石のセンスだったよ、すぐに覚えていってた。」

戦っている最中に様子を見る事が出来たのか光がにこにこと笑いながら隆治へと尋ねると、隆治もまた嬉しそうに返事をした。

「それで……何色だった?」

「えっ?」

「ほら、彼女キック得意だから……見えたでしょ?」

意味の分からない質問に隆治は相手の言葉を繰り返すが、光はにやにやとしながら質問を重ねる。

「確かね……」

「まさか、お前あの時声を出したのは……」

「あ……あはは……」

答えようとした次の瞬間背後から咲良の声がすると、隆治は苦笑いしながら彼女に視線を移した。
しかしながら彼女の表情を見るより早く、彼女の蹴りが彼の頭部を捉える。

「うん……ほとんど隙無くなった……ね……」

彼女の成長を実感しながら、隆治は気を失ってばたりとその場に倒れ込んだ。

こらるめんて ( 2015/10/08(木) 17:38 )