§第3章§
03
「…何がテッペンだ…何がマジだ…!」

「…まさか…負けるなんて…」

公園に到着すると横たわりながら不満を口にする2人の少女を見つけて、隆治と光は唖然とする。

「もしかして…」

「あははっ、終わっちゃった後なのかもしれないね。」

光がくすくすと笑いながら言うと、2人は横になっている真子と南那に歩み寄っていく。

「大丈夫?立てる?」

真子の顔を覗き込みながら隆治が手を差し出すと、2人ははっとした表情を浮かべた。

「お前ら…」

「なんだよ…笑いに来たのかよ…」

よほど体力を消耗したのか、2人は悪態をつきながらも起き上がる事なく寝転んだまま睨み付ける。

「倒れてるから、心配になって…」

「りゅーくんは優しいなぁ。」

「…ふん。」

手を借りる事を促すように光は隆治の言葉に続けるが、真子は手を振り払うとよろよろと自力で立ち上がる。
南那もなんとか立ち上がると、息を切らしながらも2人に鋭い視線を向けた。

「お前達も…咲良とかいう奴も知ったような口利きやがって…」

「私達の…何が分かるってんだよ…」

2人が苛立ちをぶつけるように隆治と光に告げると、彼らは数歩後方へと後退をする。

「ええ…なんか…巻き込まれてる…?」

「あはは、りゅーくん地雷踏んじゃったんじゃない?」

困惑するように隆治は告げるが、光は全く気にしていない様子でのんびりと返答した。

「まぁ…その態度と姿から見て、君達の限界はそこだろうけど。」

「光、煽ってどうするのさ…」

しかし突然冷淡な目を真子と南那に向けながら告げると、呆れた隆治は深々と溜め息を吐く。

「てめぇ…」

「雑魚が、そんな口を…っ!」

我慢ならなくなった真子が光に向かって地面を蹴るが、咄嗟に隆治が彼女を組伏せる。

「…ごめんね、怪我してるのに手荒な真似して。」

「流石りゅーくん。守ってくれるって信じてたよ。」

「そんなんじゃないよ。…今のは光が悪い。…謝って。」

腕を背中に回されている真子は痛みで表情を歪ませるが、隆治は淡々と謝罪する。
その後光へと謝罪を求めるが、彼は悪戯っぽく舌を出した。

「さあ?僕は教えてあげただけだもーん。」

「光…はぁ。」

頑なに謝ろうとしない光に隆治は再び溜め息を吐いてから、組伏せている真子へと視線を下げる。

「宮脇さんはさ、聞いた限りだと…助言をくれたんでしょ?それは…君達が強くなりたいって見越しての事じゃないかな?」

続けられていく話に南那はばつが悪そうに視線を下げ、真子は唇を噛むようにしながら耳を傾けた。

「テッペンを目指す目指さないは君達の自由だよ。…けどそんな助言を無駄にするなら…悪いけど、光の言ってたように限界はそこだと思うよ。」

「…また知ったようなことっ!」

話に聞き入り腕を固めている力が弱くなっている事にようやく気付いた真子は、咄嗟に隆治の元から離れて南那の隣に肩を押さえながら戻る。

「…行くよ、ゾンビ。」

「…そうだね。」

何か言いたげに真子は隆治を見るが、踵を返して足を進めていった。
呼ばれた南那は再度ちらりと隆治を見てから、すぐに真子の元へと駆けていく。

「お見事な演説でした。」

「そういうの、期待してないから…僕たちも帰るよ。」

茶化す言葉を一蹴して隆治は帰路につくと、光もにこにこと笑いながらその後に続いた。

こらるめんて ( 2015/10/08(木) 17:32 )