§第3章§
02
放課後、隆治と光の2人は咲良を探して走り回っていた。

「1年生のあのコンビ、ビッグマウスじゃ無かったね。」

「それにあのカミソリって子…」

「仁くんの彼女だった時のままだね。…ま、当然記憶は消されてるんだろうけどさ。」

物陰から見ていた2人は南那の耐久力にも驚いたが、真子の手刀に驚いていた。
仁の事が自然と思い出された隆治が言い掛けると、光は小さく頷きながら口を開く。

「彼女達…本当に狙うのかな…」

「うん、間違いないと思うな。」

隆治が辺りに探している姿が無いか気にかけながら尋ねると、光はその問いに手短に答えた。

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〜数10分前〜

「はぁ…はぁ…」

「ははっ、やっぱり口ほどにもない。」

「まぁ、こんな実力じゃなぁ?」

横になっている火鍋のメンバーを見下しながら、真子と南那の2人は笑いながら余裕そうに告げる。

「ふっ…ふふふっ…」

「おい、何が可笑しいんだよ。」

深刻なダメージを受けているにも関わらず朱里が笑いだすと、真子はそれが気に食わないのか苛立ちながらも問い掛ける。

「テッペンに興味が無い…?こんなんじゃ…ラッパッパどころか…さくらに勝てないぜ…」

朱里が告げると、他の火鍋のメンバーからも僅かながらに笑みがこぼれた。
それを見た真子は舌打ちをしてから踵を返す。

「ゾンビ、行くよ。」

「…うん。」

南那自身もその光景に腹が立ったのか、短く返事をすると2人はその場を離れていった。

「みんな、大丈夫?」

「お前達は良いから…ごほっごほっ…」

「咲良にこの事…伝えてきてくれ。」

物陰から隆治と光は飛び出して火鍋のメンバーの元に駆け寄るが、朱里の言葉を受けると2人は顔を見合わせて頷いた。

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「でも、なんで放課後に狙うって予想したの?」

「帰り道の方が狙いやすいのさ。…ほら、あんな学園居たら常に気も張ってるだろうしね。」

得意気に推測を述べていく光に、納得するしかない隆治は数回頷いてから咲良の姿を探す。

「あっ!あれって…」

「行くよ、りゅーくん。」

それらしき姿を見つけた隆治が口を開くと、光の言葉を合図に2人はその人物に向かって走り出した。

「咲良ちゃーん!」

「…またお前たち…馴れ馴れしく呼ぶな。」

「あはは、ごめんごめん。」

前日の光の言葉の為にか、咲良は冷たく答えてから立ち去ろうとする。
それを遮るように、隆治と光は正面に回り込んだ。

「えっと…今、宮脇さんは狙われてるんだよ!」

「…狙われている?…向かってくるなら、相手になるだけだ。」

危険がある事だけでも隆治は伝えようとするが、咲良はさらりと返答をして2人を避けて足を進めていく。

「1年生の最強ペアが…」

「1年のペア…」

隆治の言葉を受けて、彼女は何かを考えるかのように彼の言葉を小さな声で繰り返した。

「…ここを行った先の公園だ。」

「えっ?」

心当たりがあったのか、咲良はそれだけを告げると2人を残してその場から姿を消す。

「取り敢えずさ、咲良ちゃんの言う通り行ってみよ。」

光に頷くことで返事をすると、2人は教えられた公園に向かって駆け出した。

こらるめんて ( 2015/10/08(木) 17:31 )