§第19章§
01
「どうしてですか、咲良さん!」

「私達納得できないです!」

対決の日が近くなった馬路須加学園ラッパッパ部室内、真子と南那は不満を大きく口にした。

「納得しなくても良い。受け入れてくれるならば。」

2人の抗議の声にも耳を貸さず、咲良は頑なに自らの意思を変えるつもりが無いことを再度告げる。

「私達が……私達が足手まといだって言うんですか!」

「私達も成長して……」

なんとか納得して貰おうと2人が必死に訴えかけた時だった。
静かに座っていた人物が深く溜め息を吐く。

「本っ当にうるさいね。」

先程まで静かにしていた玲奈は呆れ返ったように告げると、真子と南那の方へと鋭い視線を向けた。

「だから、何でお前まだいんだよ。」

「お前……?あはっ。」

今だ相手がラッパッパと関わりを持っていることに真子が強く言うが、その言い方が気に入らなかったのか玲奈は不気味に笑って見せる。

「……げ、ゲキカラさんです。」

「大体OGかなんか知らねえ……ないですけど、参戦する意味が分からね……ないんっすよ。」

納得をしないながらも真子が何とか修正をした後、南那は言葉に気を付けるようにしながら尋ねる。

「別に知らなくて良いよ。お前達に話すつもりも無い。」

「はぁ!?」

気を遣っていることを気にもせずに玲奈がさらりと返答すると、2人は声を揃えた。

「というか、さっきから聞いてたら何?自称舎弟は反論することしかできないわけ?」

「はっ、じゃあゲキカラさんは言われれば大人しく待ってる忠犬ってわけですね。」

先程までのやり取りを掘り返すように玲奈が言うと、真子は挑発するかのように口を開く。

「あんまり調子に乗るなよ、ガキ。りゅーくんから言われてなかったら血だるまにしてんぞ。」

真子の言葉をまずいと思ったのか南那は何かを言おうとするが、それより早く玲奈は真子の胸ぐらを掴むと怒りが 含まれた低いトーンで告げた。

「みんな揃って……って、玲奈何してるの!」

そんな中扉が開き隆治が姿を現すと、突然目に飛び込んできた光景に驚き2人の近くに駆け寄る。
悪いタイミングで隆治が来たことに玲奈は舌打ちをすると、やや乱暴に真子を掴んでいた手を離した。

「……りゅーくん。私、突入班には入らない。背中を守る方に回るね。」

「えっ、玲奈が?……また珍しい……」

「ふふっ。」

とつぜん口にされた話題に隆治はきょとんとしながらも返事をすると、玲奈は先程までの雰囲気が嘘のように笑ってみせる。

「咲良、とか言ったっけ。」

「はい。」

しかしまた雰囲気を張り詰めたへと変えるて咲良を呼び掛けると、咲良も相手に真剣な眼差しを向けた。

「こいつら、私が借りるよ。」

「いやいや、意味分からないですから。」

「咲良さんが大体応じるわけないし。ですよね、咲良さん?」

顎で2人を指してから玲奈が告げるが、当の真子と南那は冷めたように笑ってから咲良に確認をする。

「お願いします。」

「咲良さん!?」

自分達の主張を承諾しなかった咲良の口からあっさりと許可の言葉が出ると、驚いた2人の声は再び重なる。

「いちいち許可取れば良いよ、犬になりたいならね。」

相変わらず鼻につく物言いに真子と南那は目で不満を訴えるが、玲奈の話に耳を傾けた。

「私なら……そんな許可なんて求めずに直接殴り込みに行くけど。」

続けられた言葉には反論が出来なかったのか、2人はばつが悪そうに視線を下げる。

「今日は帰ろ、りゅーくん。大切な話も無さそうだし。」

「あっ……うん。」

そう言って玲奈は足早に部室から出ていくと、隆治は心配そうに真子と南那の姿を見てから出ていった相手の後を追い掛けた。

■筆者メッセージ
再掲載です。
ロックなゲキカラさん、好きなんですよね。
こらるめんて ( 2017/01/17(火) 19:57 )