§第1章§
03
チーム火鍋と光がやり取りを行った数日後。
彼は彼女達が居るであろう教室へと足を運んだ。

「何だテメェは?」

「何しに来たんだよ?」

教室に入るや否や2人の女子生徒に絡まれるが、光は余裕そうな笑みを浮かべてから2人の顔を見る。

「あらあら、生徒会長さんもこっちじゃこうなってるのか。」

「はぁ?」

その発言が気に食わなかったのか声を掛けられた女子生徒は彼を睨み付けるが、光は口元を掌で隠しながらも小さく笑った。

「まぁまぁ。…今回は、火鍋さんに用事があって。」

「…火鍋?」

彼の前に立っていた2人の女子生徒は疑問を持ったように繰り返しながら、鍋を囲う5人に目を向けた。

「うーん…言いたくなかったけど…実は、クソガキちゃんの大切な人、だったり。」

「はぁ?お前…むぐっ。」

悪戯っぽく告げた光の発言を受けるや否やは涼花は反論しようとするが、美音が口元を押さえた為にその発言は遮られる。

「…まぁ…通れよ。」

「こっちは…何も聞いてねぇから…何にも聞かねぇから…」

行く手を遮っていた2人は罰の悪そうに呟きながら道を空けると、軽い足取りで光は5人の元に辿り着いた。

「成る程ね…付き合った男子は、その彼女と同格くらいになる訳か。」

「今のでそこまで分かったのか?…お前、頭良いな!」

然り気無く告げた光の言葉に、玲奈は彼を見ながら驚いたように告げる。

「そんな事無い無い。…ふふふ、クソガキちゃんがすっごい僕の事睨んでるんだけど。」

「あんな事したら、当たり前だろ。皆の前でバラされたんだ。」

「誰がバラされ…むぐっ。」

朱里が告げる言葉に涼花は直ぐ様否定しようとするが、彼女の口元を美音が塞いだ。

「第19条!思想及び良心の自由は、これを侵してはならない!…素直になっていいんだぞ?」

ケンポウこと内山菜月が涼花の肩に手を置きながら告げるが、口を塞がれている彼女は睨み付けるようにして不満を露にする。

「それで、何が知りたいんだ?」

「ちょっと整理したいから確認したいんだけど…学園の格について改めて教えてくれる?」

「ああ、分かった。」

光からの要望を受けて朱里は小さく頷くと、彼に改めて学園のシステムについて説明を行った。
光は頷きながら聞いていたが、全ての説明が終わると悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「じゃあさ、ラッパッパで彼女は居るのはゆりあちゃんだけなんだね?」

「……!マジック、マジックだ!…下の名前で呼ぶとか正気じゃないぞ…」

彼の言葉を聞いた5人は顔色を一変させると、朱里は慌てて先程の発言を訂正した。

「あはは、ごめんごめん。そっかぁ…純だけな訳か。」

「な、何考えてんだよお前!」

ニヤニヤとしている相手を見て何か嫌な予感がしたのか、涼花は彼へと問い詰める。

「ちょっとねー…あははっ。クソガキちゃん、また来るよ。」

「だから何で…むぐっ!」

去り際に光が告げた言葉に再び涼花は言い返そうとするが、再び美音によってそれは遮られた。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

「えー?マジで?」

「そうそう。それでな?」

「…アンタら、別の場所でやってくれへん?」

ラッパッパの拠点の音楽室内にて楽しげに会話を交わしていた2人であったが、室内に足を踏み入れた横山由依は呆れたように告げた。

「はーい。行こ、純。」

「ああ…二階堂。アンタに手紙や。」

「手紙?」

素直に出ていくゆりあに純は着いていこうとするが、由依に呼び止められ彼女から手紙を受け取る。

「…誰から?」

「さあ、誰だろうな。」

弱冠苛立った様子でゆりあは尋ねるが、純は宛名の無い封筒を眺めてからそれをポケットに仕舞った。

こらるめんて ( 2015/10/28(水) 23:24 )