§第18章§
02
遥香が彩を救出した翌日、ラッパッパの部室内に新生ラッパッパのメンバーが集まっていた。

「で、何でお前がいんだよ。」

「卒業生として、今のラッパッパが腑抜けて無いか見てても良いでしょ。ねー、りゅーくん。」

何故か室内に居る松井玲奈へとゆりあは怪我を負わされた苛立ちもあってか噛みつくように言うが、彼女は全く気にする素振りも見せずに隆治へと声を掛けた。

「ちょっ、べたべたすんなら……」

それを見た真子は咄嗟に抗議の声を上げようとするが、にこりと意味ありげな笑みを玲奈から向けられると口を閉ざす。

「それで。今からの話はりゅーくんがしてくれるの?」

「お前、今りゅーくんのこと何て呼んだ?」

さらりとゆりあが隆治に向かって声を掛けるが、彼女の煽るような発言に玲奈は機嫌を悪くした。

「あんだけボコられてまだ足りないって言うなら……アハハハハッ!また相手してあげるよ?アハハハハハハハハッ!」

「あーもう、2人ともやかましいわ。」

声を上げて笑い始めた玲奈を隆治が止めようとするが、それよりも早く呆れた様子で由依が制するように告げる。

「おたべ、随分と変わったね、まぁ、あっちの事は忘れてるか。」

「玲奈……!ストップ、ストップ!」

不機嫌になった為か全員の知らない事を思わず口にしようとする玲奈の発言を、隆治は慌てて遮るようにして止めた。

「なんか、橘の言い方やと今回の件ややこしいみたいやな。」

「相変わらず、嫌な勘してるね。」

「褒め言葉やろ?おおきに。」

焦っている様子の隆治を横目に由依が何かを察したかのように告げると、玲奈は嫌味っぽく相手へと言い放つ。
しかしながらその言葉を全く気にしていないように由依はさらりと返答した。

「話すわけには……」

「事情が変わった。」

由依から視線を向けられて隆治は言葉を濁すが、次の言葉を選んでいるうちに室内へと遥香が現れる。

「激尾古がこの件に絡んでくる。橘、咲良……私達だけこの件を知っているにしろいずれバレる。」

部屋にいた多くの人物から口々に愛称を呼ばれるが、遥香は2人の名前を呼んで話すように促す。
それを耳にした室内のメンバーの視線はは名前を呼ばれた隆治、そして咲良へと向けられた。

「なんや、咲良も知ってたん?」

「……はい。」

「じゃあ、簡単に説明して貰おうか。」

そこまでは予想外だったのか僅かに驚いたように由依が尋ねると、咲良は簡潔に答える。
その後由依からの要求を受け、隆治は小さく頷くと矢場久根商業高校と裏で協力関係にある組織について説明した。

「それって、ヤンキーの喧嘩じゃもう無いんじゃ……」

「大人に噛みつくのが怖いんやったら、別に止めへん。抜けても構わへんよ。」

一連の話を聞いた奈月が表情を暗くしながら呟くと、彼女に視線を向けた由依がそれに答えるように口を開く。

「ラッパッパに居る以上は、学園に噛み付いた奴らにお灸据える手伝いしてもらうで。」

続けられた言葉にチーム火鍋のメンバーは奈月へと心配そうに目を向け、奈月は迷っているのか咲良へと視線を送った。

「無理には言わない。好きにすれば良い。」

視線を向けられた咲良は暫く無言で奈月を見返していたが、やがていつも通りの声色で彼女へと意見をする。

「私も、やる!」

「おい、ヒヤヒヤさせんなっての!」

「抜けるかと思っただろうが!」

その一言で決心したのか奈月が張り切ったように言うと、安堵の息を吐いてから朱里と美音が彼女に声を掛けた。

「それで、ソルト。まずはどうするつもりなん?」

「矢場久根とやることになる。首を突っ込んできた激尾古と一緒にだ。」

激尾古高校と共闘するという遥香の言葉に室内はざわつく。

「アイツらと共闘……気が進まないな。」

その中でも以前の事を許せない為か杏奈が一段と気に食わない様子で告げた直後、再び部屋のドアが開かれる。

「ふふ、そうも言ってられないかもねー。」

姿を見せた光はにこにこと笑いながら、中央のテーブルへと何枚かの写真を置いた。

■筆者メッセージ
こっちの更新、忘れてた。
こらるめんて ( 2016/04/16(土) 12:07 )