§第17章§
09
「お久し振りですね、橘先輩。」

「音無誠、何しに来たのさ。」

「当然、ご挨拶です。」

唖然としていた隆治ににこりと笑いかけて挨拶をするが、彼に問いを投げ掛けられると誠は穏やかな声で答えた。

「その様子では、藤宮先輩から話しは伺ったんですね。」

「黒幕を潰しに出向く手間が省けたよ。」

のんびりと言葉を続けていく相手に対して、隆治は怒りで声を震わせながら握り拳を作る。

「おっと、力では先輩に敵いません。なので……助っ人をお呼びしました。」

誠が告げ終えた直後、機内から興里が姿を現すと対峙する形で隆治達の前へと立った。

「先輩のお父様の強さはご存じですよね。」

「お父様?あの人、りゅーくんのお父さん?」

誠の言葉で前に立つ人物が誰なのかを察した玲奈は、興里を見つめながら首を傾げる。

「りゅーくんのお父様に私を知ってもらわなきゃ。あっちにいるのは、きっと疲れてるんでしょ?ふふふっ……病院でゆっくり休んで貰わなきゃ。」

「おいおい……変な奴にすかれるのも血筋かよ。」

「黙れ。玲奈は変な奴なんかじゃないし……あんたと話す口はもう持ってない。」

玲奈が小さく笑いながら告げる内容に興里は声を上げて笑うと、隆治は相手を睨み付けながら否定した。

「やっちゃって良いの?りゅーくん。」

「良いよ、玲奈。全力でね。」

彼の敵と判断した為か爪を噛む玲奈が隆治に問い掛けると、隆治は何の躊躇も無く承諾する。

「こっちも、助っ人呼んできたんだから。」

「助っ人……?」

彼女の言葉に疑問を持った隆治が繰り返すと、玲奈は小さく頷いて屋上と室内を繋ぐドアに目を向けた。
するとドアが開き、屋上へと麻友が姿を見せる。

「麻友ちゃん……?」

「ちゃんと秘策、持ってきたんだろうな。」

「勿論。あっと言わせてみせるっすよ。」

玲奈が問い掛けにさらりと返事をしま麻友は誠の方面へと歩いていくと、やがてくるりと方向転換して玲奈と対峙をした。

「何の真似だ。」

「あっしは元より、こちらサイドの人間なんすよ。」

玲奈の言葉を気に留める様子もなく、平然と麻友は説明を行う。

「裏切ったのか!」

「裏切りは、あっしの得意分野っす。」

激昂した玲奈は声を荒らげるが、麻友は余裕の笑みを浮かべながら相手に返答をした。

「虎徹……今回は逃がさない。」

「お嬢ちゃんだけじゃなくて馬路須加のテッペンもいる。まとめてかかってくりゃ良い線いけるんじゃねぇか?」

麻友と玲奈のやり取りが行われた直後に咲良が興里へと言い放つと、彼は1度遥香に視線を向けてから答える。

「おい、あんた。」

そんなやり取りが行われている際に、一連の流れを静観していた遥は誠に声を掛けた。

「咲良が敵対してるなら……私はこっちにつかせて貰うよ。」

「カツゼツ!何言ってるか分かってるのか!」

「全力で咲良とやりあえるんだ、こっちについた方が利口だ。」

虎徹との1件で苛立ちがピークに達していた為に咲良は怒鳴るように言うが、それとは対照的に遥は相変わらず笑みを見せながらヘリへと向かっていく。

「歓迎いたします。ご挨拶は後程にしましょうか。」

「咲良をやるのは私だ。」

「どうぞ、お好きなように。」

誠から許可を得ると、遥はそのままへリへと姿を消す。
残ったメンバーが向かい合う中、無言の時間が流れていった。

■筆者メッセージ
カツゼツは馬路須加学園と敵対しました。
これで、大体の構成は完了でしょうか。
こらるめんて ( 2016/02/02(火) 14:12 )