§第17章§
03
それぞれが手合わせを開始してから数時間後、ラッパッパのメンバーと咲良サイドのメンバーはとある場所に集合していた。

「集まる必要あんのかよ。」

「理解の悪い奴だな。合同で活動してる以上は一緒に行動しなきゃいけないんだよ。」

不機嫌そうに言葉を発した涼花へと、杏奈は目を閉じたまま相手を諭すように答える。

「100歩譲って集まるのは良い。……何で風呂なんだよ!」

やり取りに耳を傾けていた朱里だったが、やがて我慢出来なくなったのか彼女もまた不満を口にした。

「まぁ落ち着けよ。うちらは咲良さんと裸の付き合いが出来るから良いけどな!」

「咲良さん、背中流しましょうか!」

そんな火鍋のメンバーとは異なり機嫌良さそうに南那が告げると、真子も嬉しそうな様子で咲良へと声をかける。

「触るな。……けど、悪くないと……思う。」

「咲良!?」

咲良が口にした言葉に思わず朱里は名前を呼ぶが、驚いたのは火鍋のメンバーだけでなく真子と南那も同じように彼女に目を向けた。

「私にも、思うところはある。だけど私達はマジになって拳を交えただけだ、恨みあう理由なんて無い。」

淡々と告げられる咲良の言葉に、その場にいた全員が耳を傾ける。

「それに、今から馬路須加学園は1つにならなきゃいけない。学園内でマジをぶつけたいなら矢場久根との1件が終わってからでも遅くはない。」

「咲良がそこまで言うなら……」

咲良の言葉を最後まで聞いてから美音が言葉をもらすと、火鍋のメンバーからも頷く様子が見られた。

「咲良、よく言ってくれたな。……今回アンタらを誘ったのはラッパッパに入って貰う為や。アンタの言う通り、矢場久根との1件が済んだらソルトに挑めば良い……部長の席取る為にな。」

由依からの提案の答えを待つ間、ラッパッパ四天王と咲良サイドの視線が咲良へと向く。
咲良は1人離れて浴槽に浸かっている遥香をちらりと見た。

「分かりました、お願いします。」

「じゃ、決まり。ああ、あんた達もラッパッパだよ。しっかり部屋守って貰わなきゃ。」

咲良の答えを聞くや否やゆりあが口を開くと、視線を火鍋のメンバーから南那、そして真子へと移していく。

「うるさい、明日は絶対にやってやるからな!」

「あはは、あんだけやられててまだやるの?良いよ、やってやるよ。」

「早速空中分解してるし。」

火鍋のメンバーは驚いていたが、真子とゆりあのお互いに譲らない会話に落ち着いた朱里は呆れたように言いながら首を左右に振った。

「咲良……歓迎する。」

「宜しくお願いします。」

「部長の椅子を奪ってくれる事……期待している。」

ようやく口を開いた遥香に改めて咲良が挨拶をすると、小さく笑った彼女は浴槽から出てとあるドアに向かおうとする。

「ソルトさん!」

驚いて声を上げた杏奈は慌てて浴槽から出ると、遥香と扉の間に立ち行く手を遮った。

「何だ。」

「この先の露天風呂は混浴なんですよ。ソルトさんを他の男に……」

「藤宮とかいう奴に頼んだ……余計な奴は来ない。」

なんとか説得をしようとする杏奈の言葉に耳を貸す様子も無く、遥香は自らの主張を行う。

「余計……?まさか、ソルトさん……」

「橘と話をするだけだ。」

遥香から然り気無く告げられた言葉を耳にして、杏奈の横へとゆりあが向かうと同じく道を塞いだ。

「何だ、お前まで。」

「いや、その……今話す必要無くないですか?」

現れたゆりあにも遥香は問いを投げ掛けるが、彼女もどうにか先に進むのを止めようと尋ね返した。

「今なら話が聞けるらしいからな。」

「それは誰から……」

嫌な予感を感じながらも、意思を変えようとしない遥香に杏奈は再び尋ねる。

「藤宮だ。」

「あいつ……潰す。」

名前を聞いてからゆりあは握りこぶしを作ると、腹立だしそうに呟いた。

「アンタら、ソルト行かせても良いやんか。ソルトが組倒されると思うん?橘が、手出すと思うん?」

由依の発言を受けて、杏奈とゆりあは言い返す事が出来ずに動きを止める。
動かなくなった2人を見てから、遥香は気に留める事無く露天風呂へと姿を消した。

■筆者メッセージ
お風呂のシーン、どの作品でも絶対に入っているのは気のせいでしょうか。
別にこだわりがあるとかではなく、たまたまなのですが。
次回、まさかのサービス回!?
こらるめんて ( 2016/01/24(日) 23:37 )