§第16章§
04
「すげー……温泉まである……」

「どんな合宿施設だよ……」

目的地に到着し、施設を眺めた奈月と涼花は思わず感想を口にする。

「さて、じゃあ早速荷物置いたらウォーミングアップがてら動こっか。」

手を打ち鳴らしてから光が提案した途端、真子は1歩前に歩み出でとある人物を指差した。

「あんたの相手は私だ。」

「目上に対する口の利き方くらい勉強しとけよ。まぁ良いや、いちいち睨まれんのもムカついてたし。」

真子が指差した先に居たゆりあは、苛々とした雰囲気を放ちながらその指名に応える。

「こらこら。一応合宿だからやり過ぎは……」

「うるさい。分かってるよ。」

「黙ってろよ。口の利き方教えてやるだけだっての。」

苦笑いをしていた光が告げると、真子とゆりあはそれぞれ彼を睨みながら告げると建物へと向かっていった。
それを見ていた南那と涼花の2人も無言で目を合わせてから前のゆりあと真子の後を着いていく。

「ふふっ、お2方?」

「分かってるから!」

光の忠告を受ける前に南那と涼花はその場から離れていくと、彼は困ったように頭を掻いた。

「珍しいね、光が困ってる。」

「ここまでメラメラされてるとは思わなくてさぁ。」

隆治がからかうようにつげると、光も思わず苦笑いをしながらそれに応える。

「私は眠らせて貰う……と言いたいところだが。」

突然遥香が口を開いた為に、その場に居合わせていた全員がそちらへと目を向けた。

「咲良、私のウォーミングアップに付き合って貰おうか。」

「私も、ソルトさんを越える為に……学ばせて貰います。」

遥香は小さく笑みを浮かべながら指名をすると、咲良はしっかりと相手を見詰めながら返事をする。

「あーあ、ちょっとソルトちゃんと手合わせしてみたかったのに。」

「後で実力、見せて貰う……そう焦るな。」

悪戯っぽく笑いながら残念そうに光が言うと、遥香はくすりとしてから応えるとバスの前を離れた。

「お前。」

「え?」

遥香が居なくなるや否や、彼女の背中を眺めていた光の視野に睨みをきかせた杏奈が入ってくる。

「お前の相手は私だ。」

「別に良いけどさ……さっきのは……」

「逃げるなよ。」

反論をしようとする光の主張に耳を貸す事無く杏奈は一方的に言うと、彼女は荷物を手にして小走りで遥香の元に掛けていった。

「ふふふ、目付けられちゃった。こうなったらソルトちゃんで相手しちゃおっかなぁ。」

「光……!あんまり能力の話は……」

「何こそこそ話してるん?」

にやにやとしながら告げていた光へと隆治は小声で注意していたが、そんな2人へと由依が声を掛ける。

「えっと……何でもない何でもない。」

「それなら良いんやけど。……バカモノ、後の4人まとめて面倒見れるやんな?」

「はぁ!?……嘘だろうが!」

残された4人から視線を向けられると拒否をしようとするが、4対1なら勝てると思ったのか自信のある表情を見せる火鍋のメンバーを見て李奈の表情が変わる。

「泣いても、知らねぇからな!」

李奈はそう告げると、火鍋のメンバーの前から立ち去っていく。
それを見届けてから、必然と相手が決まった隆治は由依の方を見た。

「ごめんな。ウチ、見たものしか信じられへんねん……ソルトとマジックの話、確かめさせて貰うで。」

「分かったよ。」

「手、抜いたら許さへんからな。」

由依は彼に忠告してから、隆治達より先に宿泊施設へと向かっていく。

「さて、僕達もいこっか。」

隆治からの促しを受けて、光と火鍋のメンバーも各々の荷物を持つようにしてバスから離れていった。

「咲良、てっぺんどうしたと?……やっぱり私が行かなきゃ駄目ってか。」

隆治達が宿泊施設に入る様子を眺めていた1人の少女は、小さく溜め息を吐いてから呟く。
隆治達が居なくなったのを見計らうと、彼女もまたその建物の中へと姿を消した。

■筆者メッセージ
拍手、コメント下さった方ありがとうございました(礼)

カミソリちゃんがいよいよ日頃のうっぷんを晴らせる時が来ました!
結果が見えてる?
いやいや、そんな事は無いですよ!
……多分。
という訳で次回から合宿スタートします!
こらるめんて ( 2016/01/22(金) 23:14 )