§第15章§
05
「さすが、ソルトさんです!」

「咲良の執念には驚かされたけど。」

「まだまだ、ってことだな。」

自分達の部屋までかえってくると、杏奈、ゆりあ、李奈はそれぞれ先程の戦いを振り返る。

「ああ、まだまだだ。……まだあいつは強くなる。」

「ソルト、なんか嬉しそうやな。」

遥香の言葉を聞いた由依は、彼女に笑いかけるようにしながら尋ねる。

「……そうだな、嬉しいのかもしれないな。」

ソファーに座りながら答えた遥香に由依達は視線を向けるが、杏奈だけが不満そうな表情を浮かべた。

「……咲良をラッパッパに入れようと思う。」

「なっ!?」

「えっ!?」

さらりと遥香が続けた言葉に、思わず四天王のメンバー達は驚きの声を上げる。

「ソルト、それはどういう意味や?」

「咲良はこれから強くなる必要がある。……強さを求める理由、環境、背負うもの……全てが関わってくる。」

由依が説明を求めてソファーに座る相手に問い掛けるが、遥香は動揺している四天王を気に留めてもいない様子で淡々と告げた。

「咲良を強くする為だけにラッパッパに入れるんですか!」

「それは違う。……今からこの学園がきっと大変な時期になる。」

話題の中心に居る人物が不服なのか杏奈がとうとう不満を口にするが、首を横に振ってから遥香は窓の外を眺めて簡単に説明をする。

「それは、ウチらだけじゃ頼りないって言ってるん?」

「そうじゃない。……そうする必要があるんだ、後から分かる。」

由依の問いには否定をするが、明確な回答をする事無く遥香は曖昧に言葉返した。

「ああ、忘れていた。橘と藤宮もだ。」

「はぁ!?」

思い出したように遥香が告げた言葉に杏奈とゆりあ、李奈が唖然とする中、由依は声を上げると決定した相手に詰め寄った。

「ソルト、アンタ正気なん?」

「ああ、本気だ。」

「ふふ、私は賛成だけどねー。……めっちゃ不満そうなのが約1名いるけど。」

呆れた様子で由依が遥香に問い掛ける中でゆりあは嬉しそうに笑うが、視線を杏奈へと向ける。

「私は……ソルトさんの指示なら……」

「はぁ……アンタが決めたなら誰も何も言えへんやろ。」

ゆりあの言葉を否定した杏奈は困惑しながらも賛成の意思を示すと、それに続けて由依も渋々と納得した旨を伝えた。

「でも、どうやって説得するんすか?」

「親睦会でも何でもやれば良いだろう。」

李奈が腕を組むようにしながら頭を悩ませると、遥香は我関せずといった様子で提案する。

「ソルトさんは……」

「私は……寝る。」

杏奈が問い掛け終えよりも早く遥香は返事をすると、隣の自らの部屋へと姿を消した。

「逃げたな……ソルト。」

課題を押し付けて立ち去った相手の入ったドアを眺めながら、由依は困ったように溜め息を吐いた。

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仲間に支えられながら帰路につく咲良達を屋上から見下ろす影が2つ。
麻友と玲奈は学園から出ていく咲良達を暫く眺めていた。

「さてと……そろそろ、か。」

「……何が起こる。」

てっぺんをかけた勝負が終わった事を察した麻友が呟くと、玲奈は横にいる相手をみないまま問い掛ける。

「ふふっ。いよいよ始まるんすよ……りゅーじ君達と音無誠の対決が。あっしらも、どう動くか考えなきゃいけないっすねぇ。」

麻友は咲良に目を向けたまま答えると、不敵な笑みを浮かべた。

■筆者メッセージ
拍手下さった方ありがとうございました(礼)

ソルトさん、パワープレイで押し切るの巻。
こらるめんて ( 2016/01/18(月) 17:51 )