§第11章§
02
「……来なくて良いと言っただろう。」

「まぁ、そう言うなよ。咲良に期待してる連中が集まったんだからよ。」

「お見送りくらい、させてください!」

静かな声で告げる咲良へと朱里がにやりと笑って答えると、それ続くように真子が口を開き、南那が賛同するように頷く。
無言で指定された場所へと咲良が足を進めると、チーム火鍋、1年生コンビ、光と隆治もその後に続いた。

「僕達……必要なのかな。」

「まぁまぁ、楽しそうだから良いじゃん。」

「橘さん。」

小声で尋ねる隆治に光は小さく笑いながら答えるが、そのやり取りが耳に入ったのか足を進めながら咲良が名前を呼ぶ。

「な、何かな?」

「昨日付き合って下さったお陰ですっきりしました……ありがとうございます。」

背中を向けながらも礼を告げた咲良に、一同は声に出さないようにしながらも驚いた表情を見せた。

「なんか……橘に対してだけ柔らかくなってないか……?」

「尊敬、なんだってよ。……心酔じゃねーの?」

やり取りを聞いていた美音と涼花であったが、咲良が足を止めた為に全員が足を止める。
視線の先には杏奈、李奈、ゆりあとこれまで倒してきたラッパッパと由依の姿があった。

「あははっ、橘くーん。」

隆治の姿が見えた為にゆりあが手を振ると彼は戸惑った表情を見せるが、そんな2人の間にゆりあを睨み付けながら真子が割って入る。

「勝負は、この部屋や。……ヨガ、バカモノ、マジック。……勝負終わるまで扉開けんといてや。」

由依から指示を受けると、名前を挙げられた3人は無言で頷く。
その後由依は咲良に目を向けてから隆治と光に目を向けた。

「……アンタら2人の事を知るんは、咲良を潰してからや……咲良、覚悟はええな?」

「勿論だ。」

小さな声で呟いてから由依が問い掛けると、咲良は力強く頷くようにしてから返事をする。
先に部屋に入った由依の後を追うように咲良が入ると、扉が閉まり鍵のかかる音がした。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

数10分後が経過し、沈黙の中お互いが送り出した人物を案じていたが、やがて鍵が開場される音がする。
静まり帰った沈黙がそれで破られると、全員の視線が扉へと集まった。

「終わった……のか……?」

真子がドアに近付こうとするが、朱里がそれを止めると未だ動かない扉に注目する。
ふらふらと扉を開けて咲良が姿を現すと、近くに居た朱里と真子がその身体を受け止めた。

「咲良が勝った!」

「咲良さんが勝った!」

咲良サイドの方から喜びの声が上がる中、ヨガをはじめとするラッパッパのメンバーは部屋の中へと駆け込む。

「まだや……ウチはラッパッパのために……」

「おたべっ!」

譫言のように繰り返して立ち上がろうとする由依を見て全員が駆け寄ろうとするが、その全員が動きを止めた。
喜びの声を上げていた咲良サイドも、その光景を見て口を閉ざす。

「ソル……ト……ごめんな……ウチ……」

部屋に入ってきた遥香に全員が注目をするが、彼女はそれを気に留めず倒れている相手の側に寄ると由依は途切れ途切れに謝罪をした。

「お前はラッパッパの誇りをかけて戦った。……だけどラッパッパのテッペンは私。あとは私が責任をとる。」

由依に告げるようにした後部屋から出ると、遥香は真子と朱里によって支えられている咲良の元で足を止める。

「強かったか、四天王は。」

「強かった……とても……とても。」

「……そうか。」

問い掛けに対して咲良が肯定をすると、遥香は満足そうに小さな笑み相手に見せた。

「もう、あなたまで手が届いた。」

「そうだな。」

真剣な眼差しを咲良は相手に向けるが、遥香は余裕な態度を崩すことなく簡単に言葉を返す。

「相手をしてやる、咲良。……傷が癒えたらな。」

そう告げてから遥香は咲良サイドのメンバーに背中を向けると、ゆっくりと部屋の前から立ち去った。

「咲良さん!みんな咲良さんが勝つの信じてたんですよ!」

「そうだ!自信あったんだぞ!」

遥香が居なくなって緊張が解けたのか、咲良を支えている真子と朱里が彼女に声を掛ける。

「……ありがとう。」

自分らに掛かった声に一同は驚くが、その後すぐに騒ぎ立てるようにして、咲良が勝利したことを喜んだ。

■筆者メッセージ
えっ、おたべと咲良の一戦書かないの!?って声が聞こえそうですが……
手抜きじゃないですよ?(汗)
しかし、おたべ戦後ももう少しこの章は続きます。
こらるめんて ( 2015/12/12(土) 13:41 )