§第10章§
01
「やっぱり、おかしいやんな。」

激尾古高校の校舎を見渡しながら、山田菜々は独り言を呟くようにしながら歩いていた。

「なぁ、聞いたか?クロバラとシロギクがマジスカの奴に負けたんだとよ。」

「はぐれものだから負けんだよ。しかも負けたのはさくらとか言う転校生だろ?アイツらも大した事無いよなぁ。」

「アントニオさんからも見捨てられたんだろ?」

教室の中から聞こえてきた会話の内容を聞いて、菜々はぴたりと足を止める。
その後、会話を行っていた2人の元へと駆け寄った。

「今、何話してたん?」

「は?なんだよ。」

「何話してたって聞いてるやろ!」

突然現れた相手にその人物は不満を露にするが、菜々は引くことなく相手へと詰め寄る。

「んな事テメェは知らなくて……っ!」

もう1人の人物が菜々へと殴りかかるが彼女はそれを避けて腕を取ると、それを相手の背中へと回して床へと押し付けた。

「もう1回聞くで。今、何話してたん?」

「クロバラとシロギクの事だよっ!アイツらが負けたって話をしてたんだっ!」

腕を取られている相手が半ば怒鳴るように話終えると、菜々は手にしていた相手の腕を解放する。

「やったのは、マジスカで間違いないんやな?」

「ああ、何度も言ってるだろ。」

「さくらって奴だよ、転校生のさ・く・ら!」

質問を重ねられて1人は面倒そうに、もう1人は苛立ちを込めて名前を強調するように答えた。

「……分かった、ありがとう。」

「待てよ!……まさか、クロバラとシロギクに会うんじゃねぇよな?」

踵を返した菜々に先程腕を取られていた相手が問い掛けるが、彼女は無言を通す。

「アイツらははぐれもの……しかも負けた苛立ちもあって今はきっとまともじゃねぇ。」

「お前行ってもボコられるぜ。」

「……構わへん。」

2人から止められるが、菜々は迷うこと無く返事をしてクロバラとシロギクを探そうと足を踏み出した時だった。

「だから待てよ!」

「何やねん!」

「居場所が知りたいんだろ。」

もう1度呼び止められると我慢出来なくなった菜々は怒鳴り返すが、その人物が何かを紙に書き上げて菜々へと近付く。

「普段アイツらが居るのはここの倉庫だ。ま、どうなったって責任取らねぇからな。」

「自己責任で行けよな。」

「分かった!」

忠告をほとんど聞き流す形で菜々は返事をすると、書かれている倉庫目指して駆け出した。

「絶対……絶対にクロバラとシロギクはあの2人やった……話……話聞かんと……」

「待て!」

走りながら菜々が独り言を告げていたが、進行方向に1人の人物が立ち彼女が進むのを止めようとする。

「何やねん、今いそいでんねん!」

「いや、今は通らない方が……」

「知らんわそんなん!」

ぶつかりそうになった為に、菜々は思わず足を止めた。
しかしながら話か終わる前に彼女はその相手を推し飛ばす。

「なんやねん、どいつもこいつも邪魔して。」

壁に背中をぶつけて倒れた相手を見下ろしながら言うと、倉庫目指して菜々は再び走り出した。

■筆者メッセージ
雅さん
拍手コメントありがとうございました(礼)
ゲキカラちゃん、無事になんとか戻ってましたね。
飼い慣らしてるネズミちゃんも凄いです(笑)
隆治くん、修羅場で済みますかね……
血の雨が降らないことを祈りましょう(苦笑)

abacusさん
拍手コメントありがとうございました(礼)
そんな裏があったのです。
そして意外にりゅーネズ派の方もいらっしゃるという組み合わせなのですよ(笑)
頭脳派な2人のやり取りは気が楽です。
2人が居たら伏線の回収もしやすいです(笑)
これからの展開もお楽しみに!


さてさて。
再びお話は本編から少し外れまして記憶を保持していると忘れがちな彼女、山田菜々ちゃんに少し動いて貰います。
大きく目立っていないので、聖撫子女学園から激尾古高校に変わった中で彼女なりになんとか頑張っていたようです。
こらるめんて ( 2015/11/26(木) 23:26 )