§第9章§
02
「ここみたいだけど。……あ、居た居た。」

「光さん!来てくれたんですね!」

倉庫を訪れた光の姿を見つけると、南那ははしゃぐような様子で彼の名を呼んだ。

「酷いこと、されなかった?」

「酷いことは……えっと……」

「まぁ、考えてるようじゃ大丈夫だったんだね。」

光の問いに南那は僅かに頬を染めながら言葉を詰まらせるが、察した光は答えを返される前に返事をする。

「今あいつらが居ないから今のうちに……」

「いーや。ずっと隠れてたみたいだよ。」

光が告げた直後、倉庫に隠れていた男達が姿を現して彼と南那の周りを包囲する。

「藤宮光!」

「あれ?何で僕の名前知ってるの?」

「お前にとある疑いが……」

名前を呼ばれて光はにやにやと笑いながら尋ねるが、男は一気に距離を詰めて言いながら頬めがけて拳を放った。
殴られた光はその勢いを受けて床に倒れ込む。

「光さん!」

「何故だ……何故避けない!」

南那が悲鳴に近い声を上げるが、男は気に留める事なく光へと振り下ろし続けた。
暫くしてその手が止むと、光は口に溜まった血を吐き出す。

「ふふふ……人違いしてんじゃない?」

口元の血を手で拭うようにしてから、彼はどこか得意気な様子で問い掛けた。

「こいつ……戻ってないんじゃないか……?」

「だから戻ってるって何なのさ!呼び出されて、理不尽に殴られてっ!」

男達が耳打ちをしていたが、光の上げた声を聞いて男は再び彼の頬を殴り付ける。

「光って、こんな怒鳴る奴だったか?」

「刷り込まれた記憶が多分……」

「おい、お前ら。」

再び囁くようにしていた男達であったが、倉庫に響いた声を受けて全員の視線がそちらを捉えた。

「な、何でお前らが……」

視線の先に立っていた篠田麻里子、柏木由紀、板野友美、小嶋陽菜の4人を見て男は震える声で問い掛ける。

「馬路須加学園に学生でも無い奴が喧嘩売って、黙ってられなくなったんでね。」

麻里子はにやりと笑いながら強気に言うと、近くに居た男を殴り倒した。

「派手に暴れさせて貰おっかなぁ。」

陽菜はのんびりと言いながらも男を蹴り飛ばしたのを見て、残っている男達は顔を見合わせた。

「昔の四天王は白だ……能力が見られない。しかし、これを誰が呼んだ?」

小声で話していた男達であったが、疑問が上がるとその中の1人がハッとした表情を見せる。

「藤宮だ……藤宮がこいつらを……がはっ……」

「誰が学園の恥である男に手を貸すものか。」

光を指差していたが、首筋に由紀からの手刀が入ると気を失った。

「だから、うちらの学園に手を出した事にキレてるって言ってんの。」

友美は倒れている相手を踏みつけるようにしながら、苛立っている様子で告げる。

「おい、男。」

「え……はい!」

麻里子から鋭い視線を向けられた光は半歩下がるようにしながらも返事をした。

「そいつを連れてとっとと失せろ。……学園の恥が。」

「ありがとうございます!」

麻里子に告げられると、光は手際良く南那の拘束を解いて彼女へと肩を貸した。

「光さん……」

「……ふふ、大丈夫。」

心配そうに南那は相手の名前を呼ぶが、光は彼女にしか見えないようにウインクをしてみせる。

「藤宮は白だ……お前ら、引き上げ……」

「引き上げ?タダで帰れると思ってんのかよ。」

立ち去った光を見てリーダー格らしき人物は全体に告げた際に倉庫の出口を塞ぐように元ラッパッパのメンバーが立つと、指を鳴らし麻里子は意地悪に笑いながら彼らへ言い放った。

■筆者メッセージ
演技派光くん。
そして光くんとゾンビちゃんの絡みが見たいとリクエストした方にお届けしました。
こちらには、大島世代ラッパッパが来ました。
……という事は……?
こらるめんて ( 2015/11/22(日) 20:02 )