07
そして朝。
ホントに朝は苦手だ...眠い。
「じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい!」
朝練ある日は大体起きてるのは母さんだけ。
親父は単身赴任で北海道に行っててもう2.3ヶ月帰ってきてない。
姉さんは...まぁ寝てる。
学校までの道のりを歩いていると後ろから足音が聞こえてきた。
まあ奴だろうけど。
「翔吾おはよ!」
「おう。」
やっぱりね。
いつも雄也と一緒に行ってるからもう分かるんだよね。足音で。
因みに俺達の部活は野球部。
俺はセカンド、雄也がショート、拓がレフトを主にやってる。
3年が5人、2年が3人、1年が8人とあまり多くないから3人ともレギュラー。
今もだけど前はよく俺と雄也はよくゴールデンコンビなんて言われて持ち上げられてたり。
いい迷惑なんだが。変にプレッシャーかかるし。
「おっ来た来た。」
「白石先輩、おはようございます。」
「うん。おはよう。珍しいじゃんちゃんと時間より前に来るなんて。」
「いや珍しくはないですよ?」
「どうだか。」
この人は白石麻衣先輩。マネージャーさんの1人だ。
頼りがいがあって姉御肌みたいな所がある人。
まぁあと2人マネさんはいるんだけど...
「あっ翔吾おはよ!」
「あっ衛藤先輩。おはようございます。」
こちらは衛藤美彩先輩。中学まで男の子と混ざってクラブチームで野球をしていたらしい。そのためかある程度の球なら取れる。
試合中のキャッチボールとかは結構やってくれる。
「そういえば北野来てないっすね。」
「あーそうだね。まぁいつもの事じゃない」
確かにそうでしたわ。
そう。もう1人のマネは北野日奈子。
朝練に来ることはあまりない。朝がめちゃくちゃ苦手らしい。
起きてる時はうるさいくらい元気なんだけどな。
「そろそろ始めるぞ〜」
「はーい!」
キャプテンの掛け声で朝練が始まった。
メニューはアップして、キャッチボールして、ティーバッティングしておしまい。
まぁ朝練だからそんなにやらない。
怪我したら元も子も無いからって言ってた。
ティーバッティングまで終わって整備して部室へ。
部室は部員の更衣室みたいなもんで狭いながらも輩共がひしめき合って着替えているなかなかの地獄。夏なんか有り得ないくらい暑いし有り得ないくらい臭い。
「翔吾、拓〜行こうぜ!」
「おう。お疲れ様でした!」
そう言って部室を出て教室へ。
教室行ったら北野がいたから来なかった理由聞いたら案の定起きれなかったらしい。
まったく...相変わらずだなこいつは。