第1章 横山由依篇
島崎遥香 V

「じゃ、とりあえず脱いで」

どゆこと?
ぱるる、なにその赤い顔!?
え?
これって、あれちゃう?

「……ちんこ舐めてく」
「違うから!馬鹿なの?」
「ちゃうの?だって、それ以外ないやんか」

“ちんこを出す”イコール“フェラチオ”という、横山由依の思考回路を即座に否定する島崎遥香。

「どうなってるか見たいだけだから」
「ほんまに見るだけ?」
「あたりまえでしょ」
「ちょっとは触ってもいいんやで」
「遠慮する」
「ちょっとは舐めてもいいんやで」
「殴るよ」
「ごめんなさい」

キッと睨まれて、由依は身をすくめる。

「ほら、早く脱いで」
「はい」

色々と負い目があるため、遥香に頭があがらない由依はおそるおそる服の下だけを脱ぐ。
由依ちんこがぴょんとあらわになる。

「……なんで大っきくなってるの?」
「……なんでやろ」

勃起していることを指摘されて困る由依。
由依自身、立たせたくて立てているわけではない。
遥香に見られていると思うと、なぜか勃起が止まらないのである。

「はやく小さくして」
「そんなん言われても無理やもん」
「わたし、エッチなことしないよ。こんな期待してます感出されても困る」
「うちだって、そんなん分かってんねんけど、静まらんもんは静まらんから」
「もう!なに?人に見られて興奮してるの?」
「…………」
「由依は変態なの?」
「……ちゃ、ちゃうから!ぱ、ぱるるに見られてるから、大っきくなってまうんやもん」
「……え?」
「ぱるるだから、うち、きっと……」

由依の言葉の意味に考えが至り、遥香は頬を赤らめる。

「……それってさ、わたしのこと、好きってこと?」
「そ、そうや。うちはぱるるが好きなんや」

由依の言葉にますます顔を赤くする遥香。
勃起ちんこを挟んで、なぜか告白シーンに突入したふたり。

あれ?
うち、なんで“好き”とか言ってるんやろ?
けど、いま“好き”って言うたら、エロい展開になる気がしたし……

実は純粋な告白ではなく、ただエロいことをしたいために口から出た“好き”だった。これはまさにゲスの極み。

そんな由依の心情など分からない遥香は、まんざらでもなくはにかんだ笑みを浮かべて、

「ふーん。わたしのこと、好きなんだぁ」

と、由依を上目遣いで見つめてくる。
そんな遥香の可愛らしい表情を見て、さらに硬直する由依ちんこ。

ああ、もうたまらん!
ぱるる、めっちゃ可愛い!
襲いたいっ!

由依が暴走しそうになったとき、遥香が予想外のひと言を発した。

「……舐めてあげよっか」

それは、なによりも由依が望んでいたこと。
島崎遥香のフェラチオ。
何度も妄想して、何度もオナニーしたのだ。
それを遥香が自分からしてあげると言っている。

「ほ、ほんまに?」
「ちょっとだけだよ」

あれだけ拒んでいたのに、急にどうしたんやろ?
うちが“好き”って言ったからかな?
そういえば歌の歌詞にもよくあるわ。
“好き”って魔法の言葉やって。
すごいわ。
ちんこ舐めてもらえる魔法の言葉や。

由依は世の中のラブソングを歌うアーティストに今すぐ謝るべきである。
ちんこ舐めて欲しい歌などない。

「う、うまくないと思うから、期待しないでね」

と、前置きしてから、遥香はおずおずと舌を出して、

ぺろっ

と、ちんこのさきっちょを舐める。

「ひゃうんっ!」

その一瞬の刺激にのけぞる由依。

なんや、いまの!
全身に電流が流れたわ!
めっちゃ気持ちいい電流が!

「由依、大丈夫?」
「うん。めっちゃ気持ちよかっただけやから」
「気持ちよかった?じゃあ、もうすこし舐めてみるね」

遥香の舌が裏筋を舐めあげる。

「そこ、あかんっ!」

由依が悶絶する。

「痛かった?」
「痛ないから、もっと、ソコ舐めて」
「うん」

由依に言われた通りに裏筋を重点的に舐める遥香。

めっちゃ気持ちいい!
ぱるるの舌がぺろぺろ動いて、腰がくだけてまう!
あかんわ。
こんなんすぐにイッてまうわ。

ちょっと裏筋を責められただけで、すでに限界を迎えようととしている由依。
そんな由依の状態をわからない遥香は、好奇心からちんこをかぽっと口いっぱいにふくむ。

「はうっ!」

ぱるるの口、あったかい!
ちんこが舌に包まれて、ああっっ!

「ぱるる、あかんっ!!」
「ん!?」
「出りゅ!出りゅから!!」
「!!!」

どぷっ!どくっどくどきゅっっ!!

遥香の喉奥に向けて、大量にザーメンを射精する由依。

「ぶはっ!」

と、遥香はちんこを口から放して、だらだらと精液をこぼす。

「ああ!ぱるる、ごめん!」

またやってもうた!
前回と同じこと、してもうた!

またキレられると思った由依に対して遥香は、

「もう!ちょっと飲んじゃったじゃんか!」

と、笑顔を見せる。

「ぱるる、怒ってないの?」
「……気持ちよくて我慢できなかったんでしょ?」
「うん、めっちゃ気持ちよかった!」
「それなら、いいよ。しょうがないし」

喉奥までザーメンを出されて、苦しくて涙目なのに遥香は笑顔を見せてくれる。

ああ。ぱるるは最高や。
ちっとも塩対応なんかじゃないわ。

「ぱるる、すっごい気持ちよかったわ」
「もうっ。わかったって」

遥香を褒めたい一身で、言葉を重ねる由依。

「ほんまに!最高やった」
「ありがと」
「もう、北原さんなんかよりずっと良かった!」
「……北原さん?」
「北原さんに手でしごいてもらったんやけど、ぱるるのフェラはあんなんよりずっと気持ち良かった!」
「…………」
「しかも北原さん、ザーメンすっごいイヤがるんやもん。ぱるるはそれに比べて優しいし、めっちゃいいわ!」
「…………」

島崎遥香はテーブルの上に置かれた笹団子を見て、完全に理解する。
横山由依がいかにクズかということを。


そして数秒後、下半身まるだしのまま寒空の下に出された横山由依だった。



いぷしろん ( 2016/01/27(水) 01:47 )