第1章 横山由依篇
北原里英 T

『とにかくヤリたい』

で、検索。
横山由依は欲望をそのまま言葉にしてググっていた。

ちんこが生えて数日が経過した。
その間、『なぜ、ちんこが生えたのか?』や『どうすれば、ちんこがなくなるのか?』といった当然の疑問に彼女は目を向けずにいた。

この数日間、ただただオナニーをしまくっていた。

島崎遥香の唇の感触。
生暖かい口の中。

それを思い返すたびに由依はちんこをしごいた。
仕事がオフの今日も朝からオナニーしては寝て、オナニーしては寝て、を繰り返していた。

ぱるるにまた舐めてもらえんかなぁ。

寝起きに無理やりフェラさせ、その結果怒った遥香にあれからずっと無視されている。
電話したら、着信拒否されていた。
にもかかわらず、『また舐めてもらう機会がある』と信じて疑わない。異常に面の皮の厚い横山由依であった。

しかし、それでも

『ぱるる、ちんこ舐めて』
『うん。由依ちんこ舐めてあげる』

みたいな展開がないことは、お馬鹿な由依でも理解している。

第一、女の子にフェラしてもらったり、それ以上のことをしてもらうのは難しいことだと、元々女である由依は重々承知している。
そこで、自らの願望をかなえる方法がないかをネット検索していたのである。

『とにかくヤリたい』という安直な言葉からも、ネットは多くの検索結果を表示する。
そのなかから、由依はこれぞというブログサイトを見つけ出した。

おっ!
良さそなサイトやんか。
ええと……、女の子とエッチをするには……

ふむふむ

なるほどなぁ

ほほう

そーゆーことかいな

熟読の結果、由依は知恵を得た。
それは、

『女は弱っている時がチャンスタイム。優しくすれば、見返りにヤラせてくれる』

という、よくある内容であるが、由依は非常に感嘆した。

素晴らしいやん!
こんな簡単なことがあるなんて!

最近体調不良が続く島崎遥香は、まさに弱っているチャンスタイム状態だ。
優しくしたら、すぐちんこ舐めてもらえるし、なんならもっとエッチなことも……

あかん!
想像したら、またおっきくなってもうた。

硬直したちんこを掴んで、由依は手近に置いた島崎遥香の写真集を手に取る。
この数日間、おかずとして多用された写真集はくたくたになっている。

さて、もうひと抜きするか、とお気に入りのページを探し始めたとき、

プルルル

と、ドアホンが鳴る。

誰なん!?
まったく、人のオナニー邪魔しくさって。

機嫌悪く、ドアホンの受話器を耳にあてる。

「……はい」
『あ、横山! 北原さんだよ』
「北原さん! どうしたんですか?」
『うん。ちょっと、……ね。入っていい』
「はい。いま鍵開けますね」

すこし元気のなさそうな北原里英の声に心配になる由依。
それと同時に、

北原さん、すこし弱ってへん?
もしかして、チャンスタイムちゃうん?

むくむくと膨らむ妄想と股間。
そして、腹をすかした猛獣状態な横山由依の部屋に子羊北原里英が入室したのであった。





いぷしろん ( 2016/01/21(木) 02:27 )