エンディング柏木由紀編
2話
 鈴置に助教授になるよう頼まれた和哉は、七年の留学生活に終わりを告げ、帰国する。

玲奈「あー、岡田君いた〜」

彩「ホンマや。玲奈、行こ」

 奈々からこの日に和哉が帰国することを聞いた玲奈と彩は、空港に降り立った和哉を見つけると、一目散に駆け寄る。

和哉「誰かと思ったら松井さんと山本さんか」

 玲奈と彩が近寄ってきたあとも、和哉はキョロキョロし、誰かを探していた。

玲奈「誰か探してるんですか?」

和哉「この辺で待ってるはずなんだけどな」

彩「誰がいてるんかは知らんけど、いてないんやからエエやん」

 玲奈と彩は和哉の手を掴むと、人が少ない場所に引っ張っていく。

彩「ウチと玲奈」

玲奈「どっちと付き合ってくれますか?」

 顔を紅くし、告白した玲奈と彩。二人は上目遣いで和哉がどう答えるか、待っている。

由紀「どっちとも付き合えません、残念でした」

 玲奈と彩の背後から現れた由紀が答えると、二人は驚き、動きが止まる。

彩「アンタには聞いてへん!」

玲奈「そうですよ、関係無い人は黙っててください」

 邪魔された玲奈と彩は、少し怒り気味に由紀を遠ざけようとする。

由紀「じゃあ、関係無いお二人は、私のダーリンから離れてください」

 由紀の言葉で、玲奈と彩は恐ろしい目付きで由紀を睨み付ける。

和哉「もういいだろ?由紀、行こうか」

由紀「は〜い。じゃあ、さようならお二人さん」

 和哉と共に由紀は勝ち誇った笑顔で立ち去り、玲奈と彩はその後ろ姿をムカつきながら見送る。

玲奈「岡田君、絶対騙されて付き合ってるよね」

彩「ホンマ、アホやな〜。よりによって柏木さんみたいな腹黒と付き合わんでもええのに」

玲奈「でも、本性が分かれば、すぐに別れるよ」

 玲奈と彩は、和哉と由紀が別れることを期待して帰っていく。

 一ヶ月後、和哉は助教授に就任、それと同時に和哉と由紀は同棲を始め、一年後に結婚。由紀が家事が苦手で、母親を呼んで手伝ってもらっていることで揉めることがあるが、それなりに幸せな結婚生活を過ごす。

和哉「由紀、少しくらい家事がんばれよ」

由紀「は〜い、そのうち頑張りまーす」

和哉「・・・・・・・・・」

 これから先もこんなやり取りをするだろうなと、将来に不安を感じる和哉だった。

 エンディング柏木由紀編終

COM ( 2015/11/27(金) 22:23 )