6話
愛李が作った号外記事が貼り出されると、選挙戦の流れは奈々のものになる。女子はもれなく奈々を支持し、更に女子を敵にしたくないと考える男子が奈々を支持した。この流れは変わらず、投票日を迎える。
「では、投票を始めてください」
選挙委員の合図で一斉に投票が開始され、一時間もすると、投票は終わり、そのまま選挙委員により、開票が行われ
「以上の結果により、秋葉学園次期生徒会長は岡田奈々さんに決まりました」
和哉の一言によって作られた号外記事は、和哉の予想を超える効果を発揮し、圧倒的大差で奈々が勝利。奈々が生徒会長に任命される。
玲奈「奈々ちゃん、おめでとー」
彩「さすが奈々ちゃんやな」
久し振りに奈々が生徒会室に入ると、玲奈と彩が祝福する。
和哉「引き継ぎはしないからな。あとはてきとーに頑張れよ」
引き継ぎもせずに役割を終えた和哉は、私物を持って生徒会室から出ていく。
玲奈「私達も出るね」
彩「奈々ちゃん、頑張ってな」
玲奈達も出ていき、生徒会室に一人残った奈々は、その広さに寂しさを感じていたが、それを我慢し、役員の人選を始める。
生徒会長選挙から数日後、和哉は本当に生徒会長だったのかと疑ってしまうほど、存在感が無くなっていた。そして月日は流れ、卒業式。
玲奈「岡田君は?」
彩「答辞せなアカンのに何で来てないん?」
和哉は前日の卒業式の練習、そして卒業式本番にも姿を見せない。
彩「もしかしてサボり?奈々ちゃんに聞いてみよ」
玲奈「そうだね」
和哉がいないことが気になった玲奈と彩は、奈々を呼んで和哉がいない理由を聞こうとする。
奈々「それが・・・その・・・お兄ちゃん、合格発表の次の日から家に帰ってきてなくて・・・」
彩「落ちたことがショックで、旅に出たとか?」
奈々「大学には合格してたみたいです」
大学に合格して、行方不明になる理由が奈々には分からなかった。
玲奈「じゃあ、悪い女に騙されて、その家にいるとか?」
奈々「それも無いと思います。いなくなる前にお父さんと出掛けてたので」
玲奈「お父さんに聞いてみたら?」
奈々「聞いたんですけど・・・独り暮らしを始めたっていうだけで、どこに住んでるかは・・・」
彩「そうなんや」
奈々「あ、そろそろ時間なんで行きますね」
和哉が姿を見せないまま卒業式が行われ、玲奈達は新しい生活を始める。とはいっても、玲奈・彩・潤は同じ大学に進学するが。