5章
3話
和哉「奈々の応援は無駄で無意味。お前ならそれくらい分かるだろ!奈々以外の誰が生徒会長に相応しいと思ってるんだよ?それと奈々が生徒会長にならないと、引き継ぎなんて面倒なことやることになるだろ!」

潤「なぁ、奈々ちゃんが生徒会長になるって信じるのは良いけど、最後のは言わなくてもいいだろ!」

和哉「本心だから仕方ないだろ」

潤「作ったキャラのくせに」

 和哉に聞こえないように呟くと、潤は学校に戻ろうと、和哉に背を向ける。

和哉「誰にも言うなよ、特に奈々には」

潤「分かった、分かった」

 適当な返事をすると、潤は玲奈達に話すために走り出す。

彩「で、どうやった?」

潤「奈々ちゃんの心配する暇があったら、勉強でもしてろって言ってたよ」

 和哉が最初に言っていたことを玲奈達に伝えると

玲奈「金属バット用意してて良かった」

彩「ホンマや、野球部から借りてきて正解やったな」

玲奈「逃がさないからね」

 逃げ道を塞がれた潤は隅に追い詰められる。

彩「ホンマのこと言わんと、これでシバくで」

潤「奈々ちゃんに内緒にしてくれるなら話すよ、金属バットで殴られたくないから」

玲奈「良いよ」

 奈々に内緒にすると玲奈達が約束すると、潤は和哉が言っていたことを話す。

玲奈「だって、奈々ちゃん」

潤「えっ・・・?マジ・・・」

 潤が振り向くと、和哉が使っている机の下から笑顔の奈々が現れる。

奈々「潤さん、ありがとうございます。お兄ちゃんの期待に応えられるようにガンバります」

潤「・・・・・・・・・・・・」

 唖然とする潤を後目に、奈々は生徒会室から出ていき、玲奈と彩も金属バットを返しに野球部の部室に行く。和哉との約束を破らされて言い訳を考える潤を一人残して。

COM ( 2015/11/26(木) 23:30 )