4章
21話
真子「お兄さん、お化け屋敷好きですね〜」

和哉「また無理矢理連れてこられたんだよ!」

 三度訪れた和哉に、真子は笑顔でからかう。

和哉「二人でお化け屋敷に入るんだろ?」

 三度お化け屋敷に入っている和哉としては、これ以上入りたくないため、玲奈と彩に二人で入るように勧める。

彩「何でやねん!」

玲奈「そうですよ!お化け屋敷に女の子二人で入ってどうするんですか?こんなときは男の人にエスコートしてもらいたいです」

 和哉の提案を玲奈と彩は一蹴。それならばと

和哉「じゃあ誰かその辺から・・・」

玲奈「私達、一年間頑張ったんだから会長にエスコートしてもらいたいです」

彩「まさか断るとかせーへんよな?」

 両腕を掴まれている和哉に拒否権は無く、あとは

彩「どっちが先に入るか決めよか」

玲奈「そうだね」

 玲奈と彩はにらみ合う。その隙を突いて和哉は逃げようとするが

玲奈「逃がさないよ」

彩「逃がさへんで」

和哉「痛っ」

 思っていた以上の力で腕を握られ、諦める。

玲奈・彩「最初はグー、じゃんけんぽん」

 勝負方法を決めないまま、お互いに不意を突こうとしたが、偶然タイミングが合ってしまう。

玲奈「私の勝ちだね」

 勝利し笑顔の玲奈と

彩「あ〜、負けた」

 悔しがる彩。

玲奈「会長、入りましょう」

和哉「ちょっと待った。真子ちゃん、さっきの頼む」

真子「は〜い、少し待っててくださいね」

 真子が中に入り、準備をすると受付に戻る。

真子「お待たせしました〜」

玲奈「じゃあ行きましょう」

 和哉は玲奈に背中を押され、四度目のお化け屋敷。彩は少しイラッとしながら、見送る。

真子「あの、出口で待ちませんか?」

彩「何でや?」

真子「だって、お兄さんとさっきの人、ラブラブになって、出てくるかも」

 真子の言葉を真に受け、彩は出口に向かう。そんな彩の背中を見送りながら、真子は笑いを我慢していた。

COM ( 2015/11/23(月) 22:42 )