21話
真子「お兄さん、お化け屋敷好きですね〜」
和哉「また無理矢理連れてこられたんだよ!」
三度訪れた和哉に、真子は笑顔でからかう。
和哉「二人でお化け屋敷に入るんだろ?」
三度お化け屋敷に入っている和哉としては、これ以上入りたくないため、玲奈と彩に二人で入るように勧める。
彩「何でやねん!」
玲奈「そうですよ!お化け屋敷に女の子二人で入ってどうするんですか?こんなときは男の人にエスコートしてもらいたいです」
和哉の提案を玲奈と彩は一蹴。それならばと
和哉「じゃあ誰かその辺から・・・」
玲奈「私達、一年間頑張ったんだから会長にエスコートしてもらいたいです」
彩「まさか断るとかせーへんよな?」
両腕を掴まれている和哉に拒否権は無く、あとは
彩「どっちが先に入るか決めよか」
玲奈「そうだね」
玲奈と彩はにらみ合う。その隙を突いて和哉は逃げようとするが
玲奈「逃がさないよ」
彩「逃がさへんで」
和哉「痛っ」
思っていた以上の力で腕を握られ、諦める。
玲奈・彩「最初はグー、じゃんけんぽん」
勝負方法を決めないまま、お互いに不意を突こうとしたが、偶然タイミングが合ってしまう。
玲奈「私の勝ちだね」
勝利し笑顔の玲奈と
彩「あ〜、負けた」
悔しがる彩。
玲奈「会長、入りましょう」
和哉「ちょっと待った。真子ちゃん、さっきの頼む」
真子「は〜い、少し待っててくださいね」
真子が中に入り、準備をすると受付に戻る。
真子「お待たせしました〜」
玲奈「じゃあ行きましょう」
和哉は玲奈に背中を押され、四度目のお化け屋敷。彩は少しイラッとしながら、見送る。
真子「あの、出口で待ちませんか?」
彩「何でや?」
真子「だって、お兄さんとさっきの人、ラブラブになって、出てくるかも」
真子の言葉を真に受け、彩は出口に向かう。そんな彩の背中を見送りながら、真子は笑いを我慢していた。