20話
由紀から逃げた和哉は、サボって寝る為に再び生徒会室に行く。
由紀「ねー、岡田君は?ここに戻ってない?」
和哉に逃げられた由紀は、和哉が戻ってきていないか、調理室に入り、確認する。
玲奈「会長?まだ戻ってこないよ」
由紀「そうですか。あ〜、また岡田君とお化け屋敷でデートしたいな〜」
わざと玲奈に聞こえるように呟くと、調理室から出ていく。
玲奈「へー会長、柏木さんとデートしたんだ。絶対許さない!」
彩「巡回の代わりになる思うてたんやけど・・・デートしたんやったらシバかなアカンな!ってことで、奈々ちゃん、後は任せるで」
玲奈「神谷君と二人で頑張ってね!」
怒る玲奈と彩は、和哉を探すため、調理室から出ていく。尤も、玲奈の場合、先程和哉を捕まえた生徒会室に真っ先に向かう。
玲奈「多分、会長はここだよね?・・・・・・・・・あれ?開かない?」
生徒会室の鍵を使い扉を開けようとするが、扉は何かで固定してあるらしく、廊下側からは開きそうにない。しばらく扉を開けようとするが、微動すらしない。そんなタイミングで彩が現れる。
彩「松井さん、何してん?」
玲奈「生徒会室に入れないの!」
玲奈が一生懸命になっていることで、彩も生徒会室に和哉がいると考える。
彩「何かエエ方々考えんと・・・」
玲奈「どうしよ・・・」
二人はしばらく考えるが、一向にアイデアは浮かばない。
玲奈「あ・・・そうだ」
数分間、考えた玲奈は何か思い付いたのか、何度か軽くノックする。
玲奈「会長、先生が文化祭を一時間早く終わらせたいから、相談したいって」
和哉「分かった、今行く」
一年間共に活動し、和哉の扱い方を僅かながら覚えた玲奈に、和哉は見事騙される。
彩「ほな、お化け屋敷に行こか」
和哉「先生の所は?」
彩「一時間早よ終わらせるわけないやん」
騙されたと分かった和哉は、玲奈を睨むが、玲奈は知らない振りをし、和哉の腕に抱き付く。玲奈と彩に挟まれた和哉は逃げられそうになかった。