4章
20話
 由紀から逃げた和哉は、サボって寝る為に再び生徒会室に行く。

由紀「ねー、岡田君は?ここに戻ってない?」

 和哉に逃げられた由紀は、和哉が戻ってきていないか、調理室に入り、確認する。

玲奈「会長?まだ戻ってこないよ」

由紀「そうですか。あ〜、また岡田君とお化け屋敷でデートしたいな〜」

 わざと玲奈に聞こえるように呟くと、調理室から出ていく。

玲奈「へー会長、柏木さんとデートしたんだ。絶対許さない!」

彩「巡回の代わりになる思うてたんやけど・・・デートしたんやったらシバかなアカンな!ってことで、奈々ちゃん、後は任せるで」

玲奈「神谷君と二人で頑張ってね!」

 怒る玲奈と彩は、和哉を探すため、調理室から出ていく。尤も、玲奈の場合、先程和哉を捕まえた生徒会室に真っ先に向かう。

玲奈「多分、会長はここだよね?・・・・・・・・・あれ?開かない?」

 生徒会室の鍵を使い扉を開けようとするが、扉は何かで固定してあるらしく、廊下側からは開きそうにない。しばらく扉を開けようとするが、微動すらしない。そんなタイミングで彩が現れる。

彩「松井さん、何してん?」

玲奈「生徒会室に入れないの!」

 玲奈が一生懸命になっていることで、彩も生徒会室に和哉がいると考える。

彩「何かエエ方々考えんと・・・」

玲奈「どうしよ・・・」

 二人はしばらく考えるが、一向にアイデアは浮かばない。

玲奈「あ・・・そうだ」

 数分間、考えた玲奈は何か思い付いたのか、何度か軽くノックする。

玲奈「会長、先生が文化祭を一時間早く終わらせたいから、相談したいって」

和哉「分かった、今行く」

 一年間共に活動し、和哉の扱い方を僅かながら覚えた玲奈に、和哉は見事騙される。

彩「ほな、お化け屋敷に行こか」

和哉「先生の所は?」

彩「一時間早よ終わらせるわけないやん」

 騙されたと分かった和哉は、玲奈を睨むが、玲奈は知らない振りをし、和哉の腕に抱き付く。玲奈と彩に挟まれた和哉は逃げられそうになかった。

COM ( 2015/11/23(月) 16:56 )