16話
玲奈が和哉を捕まえたことを彩に連絡すると、彩は早速、イベントの終了を告げる放送をする。放送が終わると、彩は急いで調理室に戻る。
彩「アンタ、ようもあないな舐めたことしてくれたな・・・・・・って、なんやねん、そのキスマーク」
和哉「キスマーク?」
潤「そんなことより、客が増えてきてるから、接客しないと」
潤の言葉で、玲奈・彩・奈々は動き出すが、和哉の動きは鈍い。
彩「ほら、何してん?も〜、キスマーク消したるから、はよ接客してや」
彩は優しい口調で両の頬に付けられたキスマークを消し、和哉を接客に行かせる。三十分も頑張ると、客も一気に減っていく。サプライズイベントの際に潤と奈々が話し合い、ケーキの販売のみも可能にしたおかげで、行列は早く無くなった。
彩「松井さん、何で会長の顔にキスマーク付いてたんかな?」
玲奈「さー、何でかな?」
玲奈は軽く惚けるが、彩は疑うような眼差しで玲奈を見る。
奈々「杏奈ちゃん、いらっしゃい」
杏奈「奈々先輩、邪魔です、退いてください」
杏奈は奈々を押し退け、調理場に入っていき
杏奈「先輩、こんな所にいたら虐められるから、私と一緒に行きましょう!」
杏奈は和哉の腕を掴み、連れていこうとする。
彩「アンタ、何してん?会長をどこに連れていこ思うてん?」
杏奈「おばさん達がいない所です。こんな所にいたら、先輩、虐められるから」
奈々「杏奈ちゃん、誰もお兄ちゃんを虐めてないから」
和哉を連れていこうとする杏奈を奈々が説得しようとするが
杏奈「私はそんな嘘に騙されません!先輩、行きましょう」
杏奈は奈々の言葉を信じず、和哉の腕を引っ張って行こうとする。
彩「ウチらは虐めなんかせーへん!」
杏奈「あんな放送をしたおばさんの言うことは絶対に信じません!」
杏奈は彩の言葉は余計に信じようとせず、聞く耳を持たない。
彩「アンタも何とか言いや!」
和哉「おばさんに虐められるから助けてくれ〜、とかか?」
杏奈「やっぱり・・・・・・このおばさんが悪いんだ!」
杏奈は和哉の冗談を真に受け、彩を睨み付ける。