5話
彩「次、こないなボケかましたらシバくで!」
潤「和哉、H2O頼むよ」
和哉「かしこまりました」
三度、和哉は調理場に戻る。
彩「今度は『H2O』って書いてくるんとちゃうか?」
潤「さすがに三回も同じボケはやらないだろ」
奈々「ねー未姫、一口頂戴」
たった一杯の水がくるまで相当無駄な時間を過ごし、奈々も未姫達が羨ましいのか、一口食べたいと、ねだる。
未姫「これはお兄さんの手作りだからダメ〜!あげない」
奈々「真子はくれるよね?」
真子「奈々、ごめん。お兄さん、ケーキセット、もう一つください」
未姫「私も〜」
和哉「お待たせいたしました、ケーキセットです」
彩達が求める水よりも、ケーキセットが未姫達の前に並ぶ。
彩「H2Oて書いてきてたらシバく!」
和哉「大丈夫でございます。お待たせいたしました、H2Oです」
奈々「こんなに小さいCD初めて見たかも」
和哉「H2OのCDです」
同じボケがくると思っていたせいか、四人は一瞬、思考が停止する。
彩「よう、こんなん用意しとったな?」
和哉「お褒めいただきありがとうございます」
彩「褒めてない!呆れとるだけや。なあ、エエ加減飲める水持ってこんかい!」
彩が怒鳴り、四度調理場に戻り、水を運んでくる。
和哉「お水お持ちしました」
彩「なあ、絶対わざとやっとるやろ?」
和哉はヤカンに水を入れ、持ってきただけ。
玲奈「コップ持ってきてもらえますか?」
和哉「えっ?コップがいるんですか?」
彩「当たり前や、はよ持ってこい!」
和哉は調理場に戻り、すぐに彩達の前に戻ってくる。
和哉「お待たせいたしました。コップの数が足りなかったので、申し訳ありませんが」
彩「こんなんで水飲めるか!」
和哉が持ってきたのは、金魚鉢。
彩「しかも、ウチのは汚れてるし、金魚入ってるやん」
和哉「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」
彩を無視して、新たに入ってきた客を席に案内し、普通に水を運んでくる。
和哉「お待たせいたしました、ケーキセットでございます」
客にケーキセットを運ぶと、再び何事も無かったように立つ。
彩「オーイ、こっちにこんかい!」
玲奈「すいません、ちょっと来てもらえますか?」
奈々「お兄ちゃん、来て!」
彩達が呼んでいるが、和哉は聞こえない振りをする。
由紀「あの、あっちで呼んでますよ。それとクッキーとミルクティーをお願いします」
和哉「かしこまりました」
由紀にクッキーとミルクティーを運ぶと、彩達の所に行く。
和哉「如何なされましたか?」
彩「アンタ、さっきコップの数が足りん言うてなかったか?」
和哉「同じ物が無くて」
彩「同じもんや無くてエエから、はよ持ってきてや」
和哉「かしこまりました」
調理場に戻り、今度は花瓶を持ってくる。
和哉「如何でしょうか?」
彩「もうエエわ!シ・・・」
彩は我慢の限界を越えたのか、立ち上がり、ハリセンを持って和哉に近付く。
和哉「さて、巡回の時間になったので、生徒会役員によるアドリブコントを終わりにさせていただきます」
彩「はぁ?」
呆気にとられる彩達に拍手が送られ、強制的に追い出される。