03
「そうだった、遠藤のことだけど」
ドキッ
やっぱり、その名前を聞いただけで俺は心臓がドキッとなってしまうようだ
「可哀想に、ひいた相手飲酒運転だってさ」
「そ、そうなんだ」
「それに、もうすぐ結婚するんだったんだって」
「え?」
「遠藤って高校の時からモテてたもんな確か、彼氏いただろ先輩の、まぁあんまりいい評判聞かなかったけどな」
「あ、いたっけな」
そうだ、遠藤さんには彼氏がいた。確か1個上の先輩が
名前は確か田坂だったっけでも今でもその先輩の顔は思い出せるそいつは遠藤さんを傷つけたから
「で?お前はどうなんだよ?」
「何が?」
「彼女いるの?」
「いない」
「まぁ、お前はずっと遠藤のことが好きだったもんな」
「え?」
駿のその言葉に驚いた誰にも言っていなかったこと
俺が遠藤さくらさんが好きだって
自分にも嘘をついていたのに
「だって、お前明らかに遠藤と話すとき態度が違うっていうか最初はマドンナ的の遠藤が嫌いだと思ってたけど高2の時に気付いた、でもすぐに遠藤付き合い始めたからなー」
「俺は別に好きじゃない」
別に嘘をつかなくてもいいのに
口が勝手に嘘をついてしまう
だって、その遠藤さんは死んだのだから
でも学生だった頃好きだった遠藤さんに告白できなかったことを
ただ自分に勇気がなかったことを
他の物のせいにしていたんだ
次の日遠藤さんの葬式が行われた
葬式にはたくさんの人が来ていた学生のころから人気者だったわけではないけど、彼女は漫画のヒロインみたいで彼女は人脈に恵まれていた
「祥平はもう帰るの?」
「うん、明日から仕事だしな」
「そっか、なら駅まで送ってくよ」
そのまま駅まで駿の車に乗って行った
駅で一人電車を待つ
さっきは嘘をついたけどやっぱり遠藤さんが好きだった
できるならあのころに
戻りたい
戻りたい
そして彼女を事故に合わないようにしてあげたい
彼女を救ってあげたい
好きだといいたい
彼女を悲しみから救ってあげたい
もし運命を変えれるのなら
あの頃の自分を変えたい
その時一瞬で周りがぴかっと
光りだした
体は反応できないまま
俺はその光にのみこまれていった