笑顔が絶えない警察官































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第4章 信じたものは折れない
異動
鶴木「・・・」
「一応、特別昇給はしておくが、来月の異動はわかっているよな?」
鶴木「はい。」
俺は署長室に呼び出されて、表彰という名のお説教をもらっている。
「内部に暴力団と関係を持ってた人間と3年前の迷宮入りの事件を解決した功績は認めよう。ただ、自分の給与用品を壊すのは、ダメだろう。」
鶴木「すいません。」
俺は自分の警棒を投げて、車を傾けさせた。
そして、村井さんの警棒で車を投げた。
俺の警棒はないってことだ。
「警棒が届くまで、どうするつもりだ。」
鶴木「村井さんの借りるのは、ダメですか?」
「あ、そうか。村井は休職か。少しの間だぞ。今回だけだぞ。」
鶴木「はい、ありがとうございます。」
「あと、始末書もな。」
鶴木「はい。」
ーーーー
次の日
〇〇病院
俺は、病院に来ている。
理由は・・・
コンコン!
「はい!」
ガララッ!
鶴木「お疲れさまでーす!」
村井「鶴木かよ。帰れ。」
鶴木「ひどいっすよ〜。あ、これお菓子なんで、食べてくださいね。」
村井さんのお見舞い。
全治2ヶ月って聞いている。
鶴木「どうっすか?」
村井「痛いに決まっているだろ。たく、交番は?」
鶴木「ん〜、まぁまぁですよ。」
村井さんの代わりで入ってくれた人は、なかなか優しい人なので、うまく仕事が回っている。
鶴木「けど、村井さんと仕事がしたいっすね。」
村井「ん〜、まだ無理だな。」
鶴木「ですよね。あと、俺、来月異動って言われました。」
村井「部署は?」
鶴木「さぁ〜?村井さんは、聞いてますか?」
村井「言われているよ。」
鶴木「やっぱり?」
村井「警務のクレーム対応だ。」
鶴木「え・・・」
聞いたことのあるところだ。
そこは・・・
鶴木「さ、左遷ってことですか・・・」
村井「そうだな。まぁ、しゃーねぇよ。復帰しても、現場でお荷物になるかもしれないし。」
鶴木「・・・」
村井「鶴木、俺は大丈夫だ。お前は、しっかり自分の仕事をしろ。」
鶴木「で、でも・・・」
村井「いいんだよ。」
村井の拳は、悔しさが抑えきれず強く握られていた。
鶴木「わかりました。帰ります。しっかり治してくださいね。」
俺は、笑顔を向ける。
村井「そうだ。それでいい。」
俺は、病室を後にする。
村井「鶴木、負けるよ。」
ーーーー
3日後
ザワザワ、ザワザワ
鶴木「ん?」
夜勤を終えて帰ってくると、掲示板の前で人が集っている。
鶴木「なんや?」
掲示板に群がっていた人は、俺の姿を見て、散らばっていく。
俺は、そのまま掲示板を見に行く。
鶴木「あ・・・」
そこには・・・
[異動発表 鶴木裕太巡査 愛宕警察署 新橋駅前交番に異動を命ずる。]

満腹定食 ( 2022/05/21(土) 20:38 )