退去
「では、この部屋は会社の方に報告しておきますので、これで終わります。」
鶴木「すいません、ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ、坂道のために色々とご足労かけました。」
鶴木「そんなことないですよ。あいつらの努力です。」
「いやいや、鶴木さんがさくら達に寄り添ってくれたおかげです。」
鶴木「いや〜、でも、あいつらを裏切る形になってしまったんですから。」
「異動は仕方のないことです。」
鶴木「それじゃ、あいつらが帰ってくる前に行きますね。」
「え、もう少し・・・」
鶴木「嫌ですね。」
「あ、はい。」
退去の日。
とうとうこの部屋とお別れだ。
4年くらいか?
長いこと住んでいたな。
マンションから出る。
鶴木「ありがとうございました。」
礼をする。
鶴木「鍵、渡しますね。」
「はい。では、さようなら。」
鶴木「はい。」
俺は、そのまま駅に向かう。
ゆっくり向かおうかな。
次は、平和なところがいいな。
〜〜〜〜
さくらside
金川「あ〜、疲れた〜。」
早川「鶴木さんの部屋でご飯食べよ〜。」
賀喜「餃子作る?ひき肉とキャベツはあったはずだよ。」
早川「時間かかるけど、やろうや!!」
いつもの帰り道。
何気ない会話。
普段通りです。
金川「さくちゃん!早く!!」
さくら「うん。」
鍵をさす。
ガチャン!
早川・金川「ただいまー!!!」
賀喜「2人とも元気じゃん。」
さくら「裕太くん。」
早川「あれ?おらん?」
金川「これ・・・」
机の上に手紙が置いてある。
金川「・・・」
賀喜「や、やんちゃん?!」
やんちゃんが手紙を見る。
金川「っ!!さくちゃん!!これ!!」
さくら「え、え?!」
[さくら、乃木坂のみんなへ
俺は、今回の異動で西東京の田舎に行くことになった。ここからじゃ通えないから向こうに住むことになった。あと、駐在所に勤務だから、いつそっちに戻れるかもわからない。すまないけど、顔を合わせずに別れることにした。本当にすまない。約4年、ありがとう。そっちに戻れたら、また一緒に住もう。自分勝手でごめん。
あと、さくら、大好きだよ。けど、その気持ちに答えられなくて、ごめん
鶴木より]
さくら「そ、そんな・・・」
裕太くん、鶴木裕太は、私の前から姿を消した。