笑顔が絶えない警察官































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第2章 生活の差
警察になった理由
コーヒーとホットサンドが来たから、少し食べながら話している。
「はい!私が、早川聖来!」
「私は、金川沙耶だよ!」
「矢久保美緒!1番さくのことを見ているよ!」
「さくちゃんの携帯に電話をした賀喜遥香です。」
鶴木「つまり、さくらの同僚か。」
さくら「うん、そうだよ。それより、さっきの電話って・・・」
鶴木「とーちゃん。まぁ、警察になった理由も含めて、色々話すわ。」
金川「私たちも聞きた〜い!」
賀喜「ちょっと!やんちゃん?!」
鶴木「別にええで。警察官になった理由は、7割が金やな。」
矢久保「え?!そうなの?!」
鶴木「そうや。俺のかーちゃんに問題があってな。」
早川「お母さんが?」
鶴木「そうやな。俺が、高校3年生の時にな・・・」
ーーーー
2年半前
鶴木「ただいま〜!」
母「おかえり、裕太。」
父「いつもより、早いじゃないか。」
鶴木「あれ?とーちゃん、仕事は?」
父「今は、忙しくないから定時で上がって来たぞ。」
鶴木「まじか、それより腹減った〜!」
母「もう〜、手洗って来なさい。」
鶴木「は〜い!」
俺は、普通の家庭に生まれた。
とーちゃんは課長職について、かーちゃんはパートしながら家事をしていた。
俺は、自転車で40分くらいかかる高校に通っていた。
柔道の成績は、中堅校で尚且つ学費を半額免除してくれたから、そこにした。
鶴木「いただきまーす!」
俺は、飯にがっつく。
母「も〜、ゆっくり食べなさい。」
父「いいじゃないか、育ち盛りだからな。」
いつも食卓や何もない所で、笑顔になっていた。
そんなある日・・・
鶴木「ただいま〜!あれ?」
高校3年の秋、俺は部活を引退して早く帰っていた。
いつもなら、かーちゃんがおかえりって言ってくれるのに・・・
俺は、台所に向かう。
鶴木「かーちゃん?」
台所に入ると・・・
鶴木「か、かーちゃん?!」
かーちゃんは、倒れていた。
俺は、かーちゃんを揺らす。
鶴木「かーちゃん!かーちゃん!!」
反応がない。
俺は、携帯に119番をする。
鶴木「もしもし!か、かーちゃんが!!」
〜〜〜〜
ピーポー!ピーポー!ピーポー!
鶴木「・・・」
「裕太!」
鶴木「とーちゃん・・・」
父「かーちゃんは?!」
鶴木「手術中・・・」
父「そうか・・・」
6時くらいにとーちゃんと合流して、かーちゃんを待った。
4時間後ー
赤い手術中ランプが消える。
バタン!
父「先生!かーちゃんは?!」
先生「落ち着いて、聞いてください。」
鶴木「・・・」
先生「奥様は・・・癌です。」
父「な、なんやて?!」
先生「腫瘍は取り除きましたが、ステージ3でした。」
父「そ、そんな・・・」
先生「これからは、投薬で癌を抑えていくと同時にどこか転移してないか、検査していきます。」
鶴木「か、かーちゃんは、生きれるんですか?」
先生「これからですね。詳しい話は、明日します。」
父「わかりました・・・」
俺ととーちゃんは、一旦家に帰る。
ーーーー
次の日
俺は、かーちゃんがいる病院にいる。
学校は、事情を話して休んだ。
鶴木「かーちゃん・・・」
母「ごめんね、裕太。」
鶴木「ううん、かーちゃんに迷惑かけて、こんなことになっ・・・」
母「それはない。裕太は、色んな大会に出て活躍してたやん。それは、私にとってはいいことなんやで。」
俺の柔道の成績は、大阪府内ではベスト4にはいり、近畿大会もベスト4に入っている。
かーちゃんは、俺が勝っても負けても、笑顔で頑張ったねって言ってくれた。
父「かーちゃん、今いいか?」
母「なに?お父さん。」
父「裕太、ちょっと病室から出てくれるか?」
鶴木「うん。」
俺は、病室を出て扉の前で耳を澄ませる。
父「実はな、治療費が高いんやわ・・・」
母「やっぱり・・・」
父「どうにかしたいけど、今の貯金ではここでの入院費と薬くらいしか払えやん。」
母「そう・・・」
鶴木「・・・」
父「家のローンもあと少しあるし、それに裕太はこれから大学に行くやろ?」
母「そうね。」
俺は、春から少しレベルが高い大学に進学する。
そこの大学は、全国で活躍した選手や世界大会に呼び出される選手もいる。
俺は全免じゃないけど、そこで柔道を続けるつもりだ。けど・・・
鶴木「・・・」
母「この話に裕太は、関係ないやん。」
父「わかってるで。けど、かーちゃんも大切やん。」
母「本当、貴方は昔から・・・」
ガララッ!
母「裕太・・・」
父「お前、話を・・・」
鶴木「大学は行かん。」
母・父「え?!」
鶴木「俺、大学行かずに働くわ。かーちゃんのために。」
父「そ、そんなこ・・・」
鶴木「かーちゃんに死んでほしくないもん!俺は、働く!!絶対曲げやんからな!」
俺の声は、廊下中に響く。
母「はぁ〜、貴方の子ね。」
父「か、かーちゃん・・・」
母「裕太、働くなら自分で選んだ仕事に就職しなさい。わかった?」
鶴木「わかった。」
ーーーー
鶴木「そのあと、大原に通って警視庁に受かったから、警察官になったんやわ。」
さくら「そ、そうだったんだ・・・」
鶴木「さっきの電話は、治療費の振り込みで揉めてた。それだけやわ。」
金川「さくちゃん・・・」
さくら「ん?」
早川「めっちゃいい子やん!」
矢久保「君なら、さくちゃんを任せてもいいよ!」
鶴木「どういう目線や。」
賀喜「鶴木君は、これからどうしていくの?」
鶴木「ん〜、わからん。けど、街が笑顔で溢れたらいいなって思っているわ。」
俺は、ニッ!と笑う。
「「「・・・」」」
鶴木「ん?どうした?」
「「「い、いや!別に!」」」
さくら「それより、ホットサンド冷めちゃうよ。」
鶴木「あ!やべぇ!!」
俺は、ホットサンドにがっつく。

満腹定食 ( 2022/03/29(火) 11:39 )