笑顔が絶えない警察官































小説トップ
第16章 銃口は誰に向ける?
叱責と聖女
署長室
「何か言うことはないかね?」
鶴木「申し訳ありません。」
日垣「申し訳ありません。」
俺と日垣さんは、署長に頭を下げている。
拳銃を持った犯人を取り逃した。
理由はそれだけである。
「善良な区民が危ない目に遭うんだぞ?それは、わかっているのか?」
日垣「すいません、応援を待つべきでした。私の判断ミスです。」
「はぁ〜、終わったことだからこれで終わるが、次はないと思え。特に鶴木。」
鶴木「はい。」
「わかっているよな?」
鶴木「重々承知しています。」
〜〜〜〜
日垣「ただいま、戻りました。」
大西「相当怒られたみたいね。」
鶴木「はい・・・。」
交番に戻った。
大西さんが迎えてくれた。
日垣「岡田さんは?」
大西「裏で、タバコ吸っているよ。」
鶴木「はぁ・・・」
大西「まぁ、仕方ないわね。あなた達の判断が、良いか悪いかで言うと、ここの組織的には悪いね。」
日垣「いや、俺の判断ミスです。すいません。」
大西「まぁ、何を言おうと終わったことだから仕方ないわね。ほら、職質に行ってきなさい。」
鶴木「はい。」
日垣「よし、検挙だ、検挙。」
俺と日垣さん、すぐに外に出る。
岡田「あれ?もう出たのか?」
大西「もう少し早く帰ってきてたら、よかったのに。」
岡田「タバコは、最後の一吸までがうまいんだよ。」
大西「そうですか。」
岡田「本部の捜査本部が、徹底的に動くそうだ。」
大西「また上から睨まれるんですね。」
岡田「そうだ。」
ビシャっ!
勢いよく扉が開く。
鶴木「すいません!手板を忘れました!」
日垣「ドアホっ!」
岡田「はっはっは、それでこそ鶴木だな。」
ーーーー
鶴木「あぁ〜、あかんな〜。」
一夜明けて、仕事が終わって家に帰ってきた。
あの時、犯人を捕まえればどうなっていたのか。
たぶん本部長賞をもらっていたかもしれない。
けど、もしかしたら俺か日垣さんが死んでいたかもしれない。
鶴木「・・・」
あんまり考えたくないが、そんな未来もあったかもしれないという話。
Prrr
鶴木「ん?あ、はい。はい?」
〜〜〜〜
鶴木「こんな時間にラーメンを食べに誘うって珍しいっすね。」
京子「たまたま上がれたの。家にお母さんがいないから、誘ったの。」
鶴木「そうなんすね。で、隣にいる人は固まっていますよ。」
京子さんからラーメンの誘いを受けた。
そしたら、もう1人いた。
「え、あ、潮紗理奈です!京子に誘われてきました。」
鶴木「そうなんすね。鶴木裕太です。よろしく。」
潮「京子のお友達なんですね!」
鶴木「そうだな、そんなところだな。」
京子「ちょっと!なっちょっ!」
すごく華やかに笑う女の子だな。
育ちの良さもわかる。
鶴木「それより、京子さんの友達って言ってもよかったんすか?」
京子「と、と、友達に決まっているじゃん!」
潮「京子?そんなに焦る必要ある?」
京子「も、もう!ばか!」
鶴木「???」
潮「こんな京子見るの初めてだね。」
鶴木「そうっすね。自分もっす。」
潮「けど、そんだけ鶴木さんのことを友達と思っているんですね。」
潮さんが笑うと何故か隣に天使が見える。
俺は目を擦るが、現実らしい。
潮「ど、どうしたんですか?」
鶴木「あぁ、女神・・・」
俺は自然と膝をつき、手を組み、懺悔をするポーズをした。
潮「え、え?!どういうこと?!」
潮さんは、終始慌てていた。

満腹定食 ( 2022/11/13(日) 17:50 )