笑顔が絶えない警察官































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第9章 あの時のライバル
削った仲
鶴木「・・・」
部屋に帰って床に寝転がっている。
平田の話を聞いて、柔道をしている人から犯罪者が出たって聞くと胸が痛くなる。
大阪で柔道をしていた仲間は、全員引退して大学に行ったり、専門学校に行ったり、働いていたりする。
鶴木「知ってる奴じゃないといいけどな。」
知り合いじゃないと願いたい。
「ねぇ、どうしたの?」
鶴木「ん?」
さくらが部屋に入ってきた。
仕事帰りだな。
鶴木「ただこうしたいだけ。」
さくら「本当は?」
鶴木「言えない。」
さくら「またじゃん。」
鶴木「しゃーねぇーだろ。」
さくら「それじゃ、罰としてここに来て。」
さくらはソファーに座り、ぽんぽんと叩く。
鶴木「はいはい、わかりました。」
さくらの横に座る。
座ったと同時にさくらは、俺の首に手を回し抱きつく。
鶴木「おいおい、どうした?」
さくら「嫌なこと聞いたんでしょ?顔に書いているよ。」
鶴木「当たり。けど、さくらには関係ない話や。」
さくら「関係あるでしょ。ほら、言ってよ。」
ちょっとだけ目がつりあがった。
鶴木「はいはい、柔道してる人間に犯罪者が出たんだよ。」
さくら「ほ、本当なの?」
鶴木「あぁ、高校時代の友達から聞いてな。ちょっと悲しい気持ちになっちまった。」
さくら「鶴木君のことじゃないじゃん。」
鶴木「そうやけど、何か嫌やん。もしかしたら、知り合いかもしれないし。」
さくら「それもそうだけど・・・」
鶴木「やから、寝そべってた。」
さくら「それだったら、早く言ってくれたらすぐ帰ったのに。」
鶴木「なんでやねん。お前は、お前の付き合いをしろ。」
さくら「鶴木君も私の中で大事な人だよ。だからだよ。」
鶴木「たく、お前は。」
俺は、さくらの頭を撫でる。
少しの間見つめ合う。
自然に俺とさくらの顔が近づく。
バタン!!
早川「たっだいま〜!!!」
金川「お土産買ってきたよ〜!!!」
賀喜「お邪魔しまーす。」
掛橋「綺麗な部屋やけんな。」
急いで、さくらと離れる。
早川「あれ?なんかしてたん?」
鶴木「べ、別に?!」
金川「怪しい!!」
鶴木「黙ってろ!!」
〜〜〜〜
帰ってきた連中からもらったお土産を食いながら、話をする。
早川「そういや、鶴木さんって柔道強かったんやんな?」
鶴木「まぁ、そこそこな。」
金川「ライバルとかいたの?」
鶴木「ん〜、そういう奴はいたな。」
賀喜「お名前は覚えてますか?」
鶴木「あぁ、確か・・・」
〜〜〜〜
某所
「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」
警察官A「おい!探せ!!」
警察官B「大人しくしろ!!」
「やめろ!!離せ!!」
大勢の警察官とガタイがいい男たちが入り込んでいる。
警察官C「何人か逃げたぞ!追え!!」
「「「はい!」」」
警察官D「絶対に捕まえるべき人間は!」
〜〜〜〜
鶴木「内藤晃樹って奴だ。」
〜〜〜〜
内藤「く、くそっ!!」

満腹定食 ( 2022/08/06(土) 13:52 )