笑顔が絶えない警察官































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第8章 櫻吹雪到来
そんなの関係ない
『昨日未明、〇〇株式会社の会長ら5名が脱税をしていたことが判明しました。』
モシャ、モシャ、ゴックン!
ゴクッ!ゴクッ!
さくら「ねぇ。」
鶴木「ん?」
飯を食いながら、テレビを見ている。
明日は休みのため、さくらと一緒に過ごしている。
さくら「もし、私たちの会社が脱税してたら、鶴木君が動くことになるの?」
鶴木「いや、刑事課の人たちだな。俺は、地域警察官って言う、お巡りさんだから、そういう事案にはあんまり行かんな。」
さくら「そうなんだ。」
鶴木「通報があれば、まずは俺が行くことになるけど、そうしている間にも、困っている人はいっぱいいるしな。」
さくら「そう言う人を助けるのが、鶴木君のお仕事なんだね。」
鶴木「そうだな。試験を受けて、刑事課とか交通課に行くことになるけど、そうじゃない限り、お巡りさんで働くわ。」
さくら「私も守ってね?」
鶴木「当たり前すぎだろ。」
ーーーー
次の日
鶴木「あー、金おろすのだるすぎる。」
生活費が足りなくなったため、銀行に行ってきた。
記帳もしたかったし、仕送りもしたかったし、ちょうどいい機会だと思ったから、出歩いた。
飯もなかったし、少し食材も買いに行くか。
〜〜〜〜
鶴木「ん〜、買っちまったな〜」
近くに特売をしているスーパーがあったため、立ち寄って品定めをしていた。
飲み物はすぐに決まったが、食材が決まらなかった。
色々安いから迷ってしまう。
鶴木「ん?」
目の前に、高級ブランドの店があった。
そこから女性2人が出てきた。
鶴木「あれ?」
土生「あ、鶴木君じゃん。」
鶴木「お久しぶりです。」
土生さんだった。
鶴木「えっと、友人の方ですか?」
土生「ううん、後輩。有美子ちゃん。」
「あ、どうも。関有美子です。保乃ちゃんからお話は、聞いているよ。」
鶴木「あ、どうも。鶴木です。」
土生「お買い物帰り?」
鶴木「えぇ、一回部屋に戻ってから、また出かけようかなって。」
土生「だったら、ご飯行く?まだでしょ?」
鶴木「まだっすね。いいんですか?」
土生「うん、いいよ。」
鶴木「あざます!」
〜〜〜〜
鶴木「うわ〜、ええとこやないっすかー。」
土生「初めて?」
鶴木「はい。」
有名焼肉店に来た。
それも食べ放題じゃないとこ。
関「あ、すいません。関と言います。」
「あ、お待ちしていました。こちらに。」
鶴木「え?」
土生「どうしたの?」
鶴木「い、いや・・・」
〜〜〜〜
鶴木「うわ〜、うまそう。」
高い肉ばかり並んでいる。
ジュー!ジュー!
肉の焼ける音が響いている。
土生「いっぱい食べてね?」
鶴木「い、いただきます。」
一口入れる。
鶴木「うんまっ!」
ガツガツ!ガツガツ!ガツガツ!
土生「おぉ〜。」
関「すご〜い。」
鶴木「うんめぇ!!」
〜〜〜〜
鶴木「ご馳走様でした。」
腰を90°に曲げて、礼をしている。
値段を聞いて、汗が止まらなかった。
土生「いいよ、いいよ。」
関「あ、私が払っておきますね。」
土生「え、待って。それは・・・」
鶴木「え?」
関さんが、お金を払った。
何故に?
関「いいんです。知り合いなので。」
鶴木「ふぇ?」
土生「あ、有美子ちゃんはね、お家がお金持ちなんだよ。」
鶴木「あ、そうなんすか。」
土生「驚いた?」
鶴木「全然。金持ちなんて、いっぱいいますよ。」
土生「え?本当に?」
鶴木「はい。」
関「お待たせしました。」
鶴木「ありがとうございました。」
関「いいけん。次どこか行く?」
鶴木「俺は、いいっすね。今度、俺のおすすめのお店を紹介しますね。」
関「いいとよ?」
鶴木「はい、ご馳走になりましたので。」
金持ちだろうが、何か闇を持っていようが、対応は変えない。
それは、誰の前にしても変えてはいけない。
それが、警察官としての姿だと思っている。

満腹定食 ( 2022/07/23(土) 21:29 )