元不良見習いの奮闘記







































小説トップ
第9章 笑ってもらうために
恥を曝け出しても
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
与田「こんばんわ〜!」
山下「お久しぶりです!」
高松「空いてる席どうぞ。」
与田「え?」
高松「ん?」
山下「た、立たないんじゃ・・・」
高松「まぁ、色々あったんですよ。では、こちらに。」
山下さんと与田さんをカウンター席に案内する。
俺は厨房に戻り、今受けている料理を作る。
角田「かんぼう、まだか?」
高松「今できます。よし、マカロニサラダとオクラの胡麻和えできました。」
角田「じゃ、このおまかせ串と一緒に持っていけ。」
高松「はい。」
白村「ついでに、嬢ちゃん達の注文も聞いてこい。」
高松「はい。」
注文を受けた料理を出す。
高松「お決まりですか?」
与田「えっと、おまかせ串と唐揚げ、それから海藻サラダをお願いします。」
山下「私は、ニシンの西京焼きとつくね2本と野菜串3本で。」
高松「わかりました。」
前に入っている注文を見ながら、順番に料理を作る。
山下「ねぇ、高松君。」
高松「はい?」
山下「その腕にしているのは何?」
高松「あぁ〜、これっすか?」
角田からもらったアームガードを言われる。
高松「まぁ、タトゥー隠しですよ。首は、どうにもならないんですけど、腕くらいは隠そうかなって。」
与田「え?タトゥーって左だけだよね?何で右もしているの?」
俺は、右腕のアームガードを下げる。
山下「あ・・・」
与田「え・・・」
自分で入れた鎖のタトゥーを見せる。
高松「厨房に立てないって思ったから、入れたんすよ。けど、こうして立っているんで隠しているんすよ。あはは。」
正直な話、もうどうでもよくなって入れたのが、本音だ。
そんなことはあんまり考えてなかった。
しかし、今どうしても人のために料理を作りたいと思い、この場に立っている。
与田「他に何かしてないの?」
高松「し、してませんよ。あ、やべぇ、早く作らないと・・・」
金やタバコを巻き上げて、道を外れそうになったことは、いえない。」
高松「よし、揚げ出し豆腐と酢の物を出してきます。」
まだ出せない部分はあるが、このタトゥーくらいは曝け出そう。
俺の甘い考えで入れてたことだから。
今は、平手の冷たくなった心を溶かすためにやるしかない。

満腹定食 ( 2021/10/20(水) 09:11 )