元不良見習いの奮闘記







































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第8章 スイッチ入ると止められない
残ったもの
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
星野「お久しぶりです!」
飛鳥「やっと来れた〜!」
久々に星野さんと飛鳥さんが店に来た。
まぁ、あの騒動が収まって来たから、そろそろいいだろうってことだろうな。
高松「空いてる席へどうぞ。」
星野「あ・・・」
飛鳥「それって・・・」
高松「ん?あ、これ?」
俺の腕と首を見て言葉を失っている。
高松「あの後に刻まれてな。」
星野「そ、そうなんだ・・・」
高松「それより、空いてる席に座ってください。」
星野さんと飛鳥さんを案内する。
タトゥーを入れてから、見た目が怖いのか新規の客があんまり入ってこなくなった。
日本は、タトゥーに偏見を持っているため、避けようとしている。
俺もできれば、消したいと思っているが、今の俺では払えない額になる。
だったら、このままでいくしかないと思っている。
星野「高松君。」
高松「はい?」
星野「消さないの?」
高松「金持ってないんで、無理ですね。一回行きましたけど、100万超えると言われました。」
飛鳥「そんなかかるの?!」
高松「そうみたいですね。それだったら、このままですね。何にしますか?」
星野「えっと、茄子の煮浸しと唐揚げで!」
飛鳥「私は、味噌田楽とつくね2本と塩2本で!」
高松「わかりました。」
ーーーー
次の日
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
山下「お、お久しぶりです。」
大園「あ・・・」
高松「どうぞ。」
山下「そ、それって・・・」
高松「あの時に入れられたみたいです。まぁ、俺の驕りがこうしたんですよ。」
山下さんは、あの時人質になり、刃物を突きつけられた。
それを助けて、いい気になっていたからスタンガンを受けるハメになった。
山下「ご、ごめんね。」
高松「謝る必死なんてないんすよ。ほら、座ってください。」
2人をカウンターに座らせる。
大園「カプレーゼと鶏の照り焼きをお願いします。」
高松「はい。山下さんは?」
山下「あ、えっと、豚キムチとマグロのユッケで。」
高松「はい。」
俺は、カプレーゼとマグロのユッケを作る。
山下「ねぇ、高松君。」
高松「なんですか?」
山下「消す気はないの?」
高松「今のところないですね。」
山下「それの理由は?」
高松「金がないからですよ。今の俺は、大将に借金をしている状態です。それに治療費を上乗せすると、結構な額になるんで、諦めています。」
山下「そ、そうなんだ・・・」
高松「こればかりは、仕方ないんすよ。はい、カプレーゼ。」
大園「ありがとう。」
高松「それにあの時は、俺の判断も悪かったからし、戦おうと思ったからこんなことになったんですよ。はい、マグロのユッケです。」
山下「あ、はい。」
高松「今は、下向かずに飯食ってください。」
山下「う、うん。あ、美味しい。」
本当は消したいが、なんせ金がいる。
今は、それを返すことに精を出す。
それ以外ないと思っている。

満腹定食 ( 2021/10/12(火) 21:57 )