元不良見習いの奮闘記







































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第5章 白羽の矢?
燃えるモノ
植村「たこ!塩と砂糖間違えてるぞ!!」
高松「す、すいません!!」
白村「かんぼう!酢入れすぎだ!」
高松「す、すいません!作り直します!」
少しずつだが、ミスが多くなって来た。
そんな短期間でできると思ってないが、思ってたより失敗している。
高松「すいません。お願いします。」
植村「ん、出してこい。」
白村「それ出したら、わけぎの酢味噌和えとオクラの胡麻和えを頼む!」
高松「はい!」
〜〜〜〜
夜の営業が終わり、俺は皿を洗う。
ほとんどの営業時間が、一品料理を作ることで割かれているため、営業終了前くらいに皿を洗っている。
「・・・ですか?」
「ちょっとな。」
裏で白村と大将が話している。
白村「まだ熱さがらないのか・・・」
大将「来週も厳しそうな感じだったな。とりあえず、まだたこには頑張ってもらう。」
白村「いいですけど、荒削りですから、ここ2、3日でのミスが、増えているのがちょっと・・・」
大将「そうだが、今の客の入りを見るとたこには、まだな。」
白村「そうですね〜。康太が帰ってくるまで辛抱します。」
植村「すまんな。もう少し先だと思っていたから、ここは多めに見てくれ。」
白村「わかっています。半年先か1年先の話が今になっただけですし。どうにかかんぼうが、人前に出ても恥ずかしくない人間になってほしいですね。」
植村「そうだな。明日は、休みだからゆっくり休んでくれ。」
白村「わかりました。では、お先に失礼します。」
植村「お、じゃな。」
高松「・・・」
わかってはいる。
何にもできていない。
それに人前で、失敗をする。
ここでは、恥ずかしいことだ。
やってこなかったから、できなくて仕方ない。
そんなことは、通用しない。
植村「おい、いつまで皿洗っているんだ?このドアホ。」
高松「あ、すいません。」
ーーーー
次の日
植村「おい、たこ。休みだからどこかへ出かけてもいいんだぞ?」
高松「やることないんで、部屋にいます。」
俺は、自分の部屋に戻る。
俺には、やることがある。
俺は、角田が描いてくれたレシピノートを見る。
これ以上、失敗する姿を客に見せることはできない。
角田が、帰ってくるまでなんとかしてみせる。
今日は、覚えるまでノートを見る。
それ以外することはない。
植村「・・・」

満腹定食 ( 2021/10/03(日) 16:30 )