元不良見習いの奮闘記







































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第4章 伝説の警察官
金なし警察官
高松「えっと、あそこか?」
勝鬨橋を渡って数十分、公園が見えたから停まった。
コンクリートの建物には、亀有公園前派出所と書かれていた。
高松「ここか。」
エンジンを止め、カブを押す。
派出所の前にカブを置き、
高松「すいませ〜ん。紺色屋です。」
「おい、誰だ。出前を取った人間は?」
「両ちゃんですよ。パトロール行く前に電話していたので。」
「そう言えば、先輩まだ帰ってきてませんね。」
「あの馬鹿もんは。君、両津の机は、そこだから、置いときなさい。」
高松「わかりました。」
おかもちからご飯とトンカツを取り出す。
ガララッ!キキッ!!
「はぁ〜、間に合った。腹が減って死にそうだ。」
「両津、パトロールはしてきたんだろうな。」
「もちろんですよ!部長!!」
「ほぅ〜、そういえば、またまた今日の競艇をかけたら、勝ってしまってな。」
「そうなんですか!!わしは、また負けて・・・あ。」
「この大馬鹿もんが〜!!!」
派出所、いや、外まで響く大声で怒鳴られている。
「ひひぃ〜!!って、あれ?この坊主は?」
「両ちゃんのご飯を運んできたのよ。」
「そうなのか?前は、確か角田じゃなかったのか?」
高松「そうっすね。けど、今は、俺が1番下っ端なので、届けに来ました。」
「ご苦労さん。大将から支払いは聞いてるか?」
高松「つけ払いだそうですね。」
「わかってるじゃねぇーか。坊主。お前さん名前は?」
高松「高松寛太。」
「そうか、そうか!わしは、両津勘吉!よろしくな!」
ゴリラみたいな腕にカモメみたいな眉毛、それに髭面、警察官とは思えないくらい人相が悪い。
俺を捕まえた警察官は、誰もきっちりした服装と身だしなみをしていた。
「何がつけ払いだ!このばかもん!こんな若い子にそんなことを言わずな!!」
両津「いいじゃないですか、部長。」
「お前は・・・私は、大原だ。しっかり働きなさい。」
高松「は、はい。」
「私は、秋元・カトリーヌ・麗子。みんなから麗子って呼ばれているわ。」
高松「どうもです。」
「僕は、中川圭一。よろしく。」
高松「よ、よろしくです。」
両津「では、いただきまーす!」
ラップを剥がして、トンカツと米にがっつく。
両津「んめぇ〜!さすが、大将の飯だ!」
大原「この大バカもんが。高松君。次来る時は、両津からしっかりとお金を取るようにな。」
高松「わかりました。では、店に戻ります。」
両津「大将によろしく言っといてくれ。」
高松「はい。」
俺は、エンジンをつけ、店に帰る。
中川「紺色さんも若いバイトを雇ったんですね。」
麗子「だけど、ちょっとやんちゃしてそうな子だよね。」
大原「それよりも、仕事仕事。両津!」
両津「なんですか?部長。」
大原「あんな若い子につけ払いをするとは、情けない!次頼む時は、お金を払うようにな!」
両津「わかってますよ。部長。ご馳走さん。皿、洗ってきます。」
大原「わかっているのか、あの馬鹿もんは。」
中川「まぁまぁ、部長。」

満腹定食 ( 2021/09/27(月) 17:22 )