高松、試される
高松「くっそ。」
あれから野菜を切り続けているが、まだ指を切る。
まぁ、素人の俺が、数日包丁を持って上手くなるが、無理だな。
あと、傷口に洗剤が入るといてぇ。
ゴム手袋は、大将がやめろって言うからできない。
とりあえず我慢だ。
高松「はぁ〜、桂剥きとかやらなくていいだろ。」
大将から・・・
植村(慣れたから、次から大根の桂剥きをしろ。まるまる一本切れるようにしろ。いいな?)
と言われて、数日桂剥きをしている。
余計に傷が増えた。
で、今は、夜営業前に厨房に立ち、大根10本を桂むきをする。
営業開始からやると時間がかかるから今からやる。
高松「だるい。はぁ〜。」
全然剥けない。
すぐ切れる。
高松「くそ。なんでだよ。」
すぐに切れてしまう。
角田「お?やってるか。」
高松「おぉ、全然できん。」
角田「初めは、そんなものだよ。それに桂剥きは、慣れだよ。慣れ。」
高松「角田もそうだったのか?」
角田「そうだぞ。俺は、洋食屋で働いてたけど、大根の桂剥きが苦手だったけど、もう慣れちまったよ。」
高松「俺も、そうなるか?」
角田「やり続ければな。それより、早くしろよ。他にもやることもあるんだろ?」
高松「あ、やべ。」
また桂剥きをする。
高松「いたっ!」
角田「またかよ〜。」
〜〜〜〜
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
星野「こんばんわ!」
飛鳥「お邪魔しまーす。」
高松「こちらにどうぞ。」
カウンターに進める。
俺は、戻って野菜を切る。
星野「大将!烏龍茶とおすすめをお願いします!」
飛鳥「私もお願いします!」
植村「はいよ。白村。」
白村「わかりました。」
植村「それと康太。」
角田「はい?」
大将と角田は、俺と白村に聞こえないように話している。
何をするんだ?
植村「いいか?」
角田「任せてください。」
植村「よし、たこ。」
高松「え、はい?」
植村「嬢ちゃん達に振る舞え。」
高松「・・・え?」
白村「は、はぁ?!」
たぶん、一瞬だけ時が止まったと思う。
高松「え、え?え?」
白村「大将!待ってくださいよ!」
植村「白村、止めるな。これは、俺からの試験だな。それに康太も助けてくれるからいいよな?」
白村「し、しかし!」
植村「それより、油を見ろ。」
白村「あ、はい!」
植村「たこ、やれるよな?」
高松「え、や、やります?」
植村「やります?じゃねぇーよ。」
高松「や、やらせていただきます!」
植村「そうだろ。嬢ちゃん達、お代は、いいから食べてくれるか?」
星野「もちろんです!」
飛鳥「いいですよ。」
植村「それじゃ、何が食べたいですか?」
星野「今日のおすすめは、筑前煮でしたよね?」
植村「はい。」
星野「じゃ、ヘルシーだけど食べ応えがある料理をお願いします!」
植村「はい、たこ。やれるよな?」
高松「は、はい!」
おいおい、まじかよ。