元不良見習いの奮闘記







































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第3章 料理人の一歩
エースと後任
植村「たこ、掃除行ってこい。」
高松「はい。」
夜の営業が始まる30分前に言われる。
今日は風が強いこともあり、表は少し汚れている。
昼の営業の時もしようかと思ったが、お客の入りが多かったから掃除する暇がなかった。
大将もそれをわかっていたから、この時間に言い出したんだろう。
箒とちりとりを持ち出して、表の掃除を始める。
高松「うわ〜、汚れているじゃねぇーか。」
これは、流石に綺麗にしねぇーと。
サッ!サッ!サッ!
高松「はぁ〜、めんど。」
綺麗にしないと客から何言われるか分からないから、とことんやらないといけない。
そうなってくると時間がかかるんだよな〜。
高松「あぁ〜、うぜぇ〜。」
掃いても掃いても綺麗になってる気がしねぇー。
高松「めんどうすぎ。」
「それでもやるんだろ?」
高松「そうだな。綺麗にならないと客が不愉快に思うからな。けど、なんでこんなに汚ねぇーんだよ。って、誰だ?」
後ろを見ると・・・
植村「・・・」
無言で腕を組んでいる大将がいた。
高松「・・・げぇ。」
植村「まずは、すいませんだろうが!」
ゴツン!!
〜〜〜〜
「大将、そいつまたやらかしたのか?」
植村「へい。また焼き入れておきました。」
「うわ〜、痛そうだな。けど、続けているだけ偉いよ。」
植村「そうしないと学校に通えないので。」
「あ、なるほど。」
俺の頭にはでかいたんこぶができている。
やり返したいが、ここ以外で働く場所がない。
角田「かんぼう〜。後ろくらい確認しろよ〜。」
植村「お前もあぁなりたいのか?」
角田「や、やだな〜。大将、ジョーク、ジョーク。」
植村「たく・・・」
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
「すいません。今2人なんですけど、途中で4人なりますけど座れますか?」
植村「構いませんよ。おい、たこ。」
高松「はい。3番テーブルへどうぞ。」
「ありがとうございます。」
テーブル席に進める。
ガララッ!
植村「お、いらっしゃい。」
星野「すいません!」
樋口「あ!」
「みなみ〜!ちま〜!」
高松「ダ・・・仲間ですか?」
星野「そうだよ!」
高松「では、どうぞ。」
星野さんと樋口さんをテーブルに進める。
星野「その前に高松君、また何かしたの?」
高松「う・・・はい。」
星野「今度は何?」
植村「掃除サボっていたので、また焼き入れました。」
星野「真面目にやらないとダメだよ!」
高松「はい。」
星野「それで、なぁーちゃんと与田ちゃんは何する?」
「ん〜、そうやな〜。」
「私は、お茶で・・・」
樋口「すいませ〜ん!」
高松「はい。」
「えっと、ビールください。」
高松「はい。」
星野「で、烏龍茶3つで!あとおすすめと鯖の唐揚げ2つ!」
高松「わかりました。角田・・・さん!」
角田「あいよ!」
酒類は、角田に任せてある。
3人の中で1番酒の入れ方を入れるから常連からは、評判がいい。
角田「うっし!7対3!」
そのまま生ビールを出す。
俺は、まだ未成年だから出せない。
角田「はい!嬢ちゃん!」
「あ、ありがとうございます。」
植村「角田!お前も高松みたいにしてやろうか!!」
角田「す、すいません!!」
白村「かんぼう。これよろしく。」
高松「はい。」
テーブルに持っていく。
高松「はい、烏龍茶と鯖の唐揚げです。」
星野「ありがとう!!ほら!なぁーちゃん!与田ちゃん!」
ビールを頼んだ人が、なぁーちゃん。
その隣が与田って言うらしい。
与田「お、美味しそう!!」
植村「おい、たこ。できたぞ。」
高松「はい。」
大将から料理をもらう。
高松「ピーマンつくねになります。食べる際にピーマンの中につくねを入れてください。」
樋口「美味しいやつじゃん!」
星野「そうだね!あとは・・・」
「なぁ、みなみ。この人が高松君?」
星野「そうだよ!あ、高松君!ビールの人は、西野七瀬ちゃんだよ!みんなからなぁーちゃんって呼ばれているんだよ!」
高松「あ、どうも。」
西野「ん〜、頑張ってね。」
高松「あ、あざっす。」
星野「で、隣が前に来た2人組覚えてる?」
高松「えっと、星野さんが来た前だから・・・大園さん?とか?」
星野「そうそう!その子たちの同期の与田祐希ちゃん!」
与田「桃子や美月が美味しいって、言ってたので来ちゃいました!」
高松「それは、ありがとうございます。」
植村「おい、たこ。皿。」
高松「あ、はい。」
俺は、皿を洗いに戻る。
星野さんたちは、ピーマンつくねを食べ始める。
星野「ん〜!美味しい!」
西野「ビールに合う〜。」
与田「ん〜!!」
うまそうに食べている。
植村「おい、たこ。手が止まっているぞ。」
高松「あ、はい。」
植村「・・・」

満腹定食 ( 2021/09/16(木) 11:26 )