元不良見習いの奮闘記







































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第29章 何上戸?
不良の飲み方
高松「・・・」
樋口「ねぇ?大丈夫?固いよ?」
高松「い、いや、その・・・」
俺がなんで、こんなに固いのかと言うと
「おい、日奈。そいつの紹介まだだろ?」
いかついスキンヘッドの男が目の前にはいる。
樋口「おーちゃん、怖い顔しないでよ。」
今は、樋口さんのお宅にお邪魔している。
ちょっと親父さんの話は聞いていたが、これほど威圧してくるとは・・・
もう帰りたい・・・
樋口「この間も言った高松君。こんな感じだけど、色んなご飯を作ってくれるんだよ。」
おーちゃん「へぇ〜、そんな弱そうな感じしているのにか?」
やべぇ、親父さんの後ろから般若みたいなものが見えてる〜。
俺のキャンタマも縮こまっている〜。
超帰りて〜。
高松「い、いや、そんなことは・・・ないっす。」
一応言い返すが、般若の顔が一段と大きく見える。
人の親ってこんなに怖いのかよ・・・
高松「す、すいません。トイレは・・・」
おーちゃん「あっちだ。」
高松「う、うっす。」
〜〜〜〜
一旦トイレに行き、あの場から抜け出した。
超こえぇーし、超帰りてー。
樋口「そんなに怖い顔しないでよ〜。」
高松「ん?」
扉を開けようとすると樋口さんの声がした。
おーちゃん「だめだ。あいつは、危険だ。」
樋口「なんで?」
おーちゃん「あいつ、危ない所に行ったことあるだろ。」
樋口「え?なんで知っているの?」
おーちゃん「目見ればわかるよ。あいつの目から、少し悲しさと後悔があるんだよ。」
樋口「なんでわかるの?」
おーちゃん「長年の勘だよ。けど、悪いやつじゃないのだけは確かだな。だが、俺にも建前ってものもあるからな。」
樋口「え?殴り合うの?」
おーちゃん「そんなことしないぞ。俺には俺のやり方がある。
高松「・・・」
それを聞いて、俺は部屋に入る。
樋口「あ、おかえり。」
高松「た、ただいま。」
おーちゃん「おい、若造。」
高松「は、はい。」
おーちゃん「少し酒飲めるだろ?」
高松「まぁ、まぁ・・・」
おーちゃん「これで勝ったら、認めてやろう。」
小さめのグラスとテキーラと書かれた酒が出てきた。
高松「え?なんすか?」
おーちゃん「ショットだよ。ショット。レモンやライムはねぇーから、みかんでどうにかしろ。」
高松「ま、マジかよ・・・」
おーちゃん「やらねぇーのか?」
高松「や、やります。」
売られた喧嘩は、買うのが礼儀だ。
おーちゃん「よし、やるぞ。」
高松「う、うっす。」
樋口さんは、心配そうな目をしている。
まず1発目を飲む。
高松「ん!!」
香辛料とアルコールの匂いがきつい。
胃に入れてから、身体が一気に熱くなった。
すぐにみかんを食べる。
高松「・・・ヒック!」
おーちゃん「もう終わりか?」
高松「まだまだ〜。」
もちろん、2杯目から記憶がなくなった。
ーーーー
次の日
高松「ん、ん〜。」
頭の痛さで起きる。
またやらかした。
もう何度目だよって話・・・
ムニュ!
高松「ん?」
手にやわらかい感触がある。
それに温かい。
「ん、ん?あ、おはよう。」
高松「え?」
俺は、樋口さんの胸の中で寝ていたようだ。
それに樋口さんは、裸だ。
高松「わぁ?!」
一瞬にして、昨日のことを思い出す。
やばい、親父さんに殺される・・・
樋口「あ、大丈夫だよ。安心して。」
高松「ふぇ?」
樋口「おーちゃんからね・・・」
おーちゃん(お前さんの感情は認めてやる。だから、日奈を泣かしたらわかったよな?)
樋口「だってさ。」
高松「え?俺、勝ったんすか?」
樋口「ん〜、正式にはどうだろう。けど、良かったね。あと、次は普通に飲もうって言ってたよ。」
高松「ま、マジっすか・・・」
樋口「うん、あとね・・・」
高松「はい?」
樋口「もう少し優しくしてね?」
キュンとした。
ちなみに俺の息子も一緒に。
高松「は、はい。」
樋口「ふふふ。」
たぶん相当やばいことをしたらしい。

満腹定食 ( 2022/01/25(火) 21:51 )