元不良見習いの奮闘記







































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第27章 大人への決意
拾う神あり
西野side
西野「・・・」
白石「・・・」
私たちは、大きな会議室にいる。
重役達がズラッと座っている。
それに空気が重い。
「それでは、2人も来ましたので始めます。今回、集まってもらったのは、この男性のことです。」
スクリーンに、寛太の写真が映し出された。
「この男性の名前は、高松寛太。今月30日で20歳になりますが、西野と白石から聞いた話ですと、問題を抱えている人間と聞いています。では、2人。どちらから話しますか?」
白石「私が、言います。」
西野「ま、まいやん・・・」
まいやんは、私の顔を見て頷いた。
白石「私が聞いた話は・・・」
〜〜〜〜
白石「以上で、私が聞いた話です。」
「西野も同様か?」
西野「はい。そうです。」
「どうするのかね。犯罪予備軍みたいな人間とつるんでいるのは?」
西野「・・・」
寛太は、そんな人間じゃない。
言い返したいけど、重役達が私たちを睨みつける。
「君たちは、もっと仕事を向上させる必要がある。それに4期生も入ってくる。それなのに、そんな人間と関係があるとは、ちょっとね・・・」
「そうですな。」
「同感ですな。」
「では、多数決を決めます。今すぐ、関係を断つべきだと言う人は、挙手で。」
〜〜〜〜
ドボーン!
市村「わぁ?!」
高松「おいおい、大丈夫か?」
市村が、運んでいた段ボールの底が抜けた。
今日使う野菜が散らばった。
市村「す、すいません!!」
高松「大丈夫だから。ほら、すぐ拾うぞ。」
市村「は、はい!」
〜〜〜〜
ガチャッ!!
「だ、誰・・・あ、秋元先生?!」
秋元「私の許可なく、なんの会議をしていたのかね?」
「い、いやこれは・・・」
秋元先生は、スクリーンの寛太の詳細を見て、少し声を低くした。
秋元「君たちは、この子がどんだけ坂道に貢献しているのか知らないのか?」
「貢献ですって?」
秋元「高松は平手を支え、ひらがなけやきの解散を止めて、乃木坂の総統に力を貸してくれているのだぞ?それを知らないのか?」
「そ、そんな情報は・・・」
秋元「じゃ、去年の5月の爆破事件を覚えているのか?」
「あれですか?彼は、無関係・・・」
秋元「あれを止めたのは、彼だぞ。」
「え?!!」
秋元「記憶喪失になって、それでも帰ってきたのに、彼を・・・高松を潰すのか?」
「そ、そんなつもりは・・・」
秋元「すぐ解散にしろ。いいな?」
「は、はい・・・」
〜〜〜〜
西野「あ、秋元先生!」
秋元「すまないな。まさか、重役達が、高松を潰そうとするとは・・・」
白石「でも、高松君は・・・」
秋元「大丈夫。事件を詳しく知っている警察官に話を聞いてきた。それで遅くなってしまった。すまない。」
西野「い、いえ・・・」
秋元「あんな頼もしい人材は、捨てるわけにはいかないからね。それに坂道が上に登るために絶対必要だ。私がそうさせない。高松が、潰れてしまったら・・・」
西野「大丈夫です!寛太は、そんな人間じゃありません!!私たちが知っているよりずっと強い人間です!!」
秋元「お、おぉ・・・」
白石「なあちゃん、落ち着いて・・・」
西野「あ・・・」
秋元「高松自身が、何も起こさなければ大丈夫だ。それだけは、覚えておけ。」
白石・西野「はい。」
高松との関係を断たれなくてよかった。
秋元「それに西野。」
西野「はい?」
秋元「取られるなよ。」
西野「・・・」
めっちゃ顔が熱い。
白石「知られてたのね〜。」

満腹定食 ( 2022/01/16(日) 15:31 )