元不良見習いの奮闘記







































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第27章 大人への決意
嫌われる覚悟
バシャン!!
高松「冷た・・・」
誰かに引っ張られて、間一髪で車から避けれた。
だが、不意だったため尻餅ついてズボンとパンツは濡れている。
それに服も車が走っていった時に、かかっている。
パッポー!パッポー!パッポー!
俺を見ながら通行人は歩いて行く。
「危なかった〜。」
俺は、すぐさま立って後ろを見る。
高松「す、白石さん・・・」
白石「たまたま見かけて追いかけてみたらね?赤信号で渡ろうとしないでね。」
俺と白石さんは、横断歩道から離れる。
高松「す、すいません。」
白石「それより、服濡れちゃったね。私のお家近くだから、行こう?」
高松「いや、いいです。今から帰りますから。」
白石「風邪引くよ。ほら、早く行こう。」
高松「う、うっす。」
〜〜〜〜
白石さんの部屋に来た。
その途中でコンビニでパンツを買い、白石さんの部屋に着くやいなや、シャワーを浴びた。
シャワーを浴び終えて、リビングに向かう。
白石「出た?服はどう?」
高松「ちょっときついくらいですけど、着れますね。」
白石「そうな、中々細いんだね。」
高松「ま、まぁ。」
白石さんからスエットを借りた。
なかなか着れるもんだな。
白石「ほら、こっちにおいで。」
高松「う、うっす。」
俺は白石さんの隣に座る。
白石「どうしたの?今の高松君、弱々しいよ?」
高松「い、いや、普通ですよ。」
白石「嘘だよね。ほら、言いなさい。なあちゃんも心配してたし。」
高松「・・・」
白石「言いなさい?」
なんか姉ちゃんに怒られている感じがする。
七瀬さんとは、ちょっと違う感じだな。
でも・・・
高松「言えません・・・」
白石「どうして?」
高松「言ってしまうと、あんたらと俺との間に深い溝ができてしまう。だから、言えねぇ・・・」
白石「だけど、今私が見ている高松君と前に仕事で一緒になった高松君とだったら、前の方が強く見えたよ。それだったら、言ったほうがいいと思うよ。」
高松「・・・」
俺には、言う覚悟がない。
これ以上、悪い人間になりたくない。
俺が悪くないのはわかっているが、死に追いやっている。
それだったら、自然に弱って死んでいく方がいいかもしれない。
白石「ねぇ、なあちゃんが、すごく心配しているの、知らないでしょ?」
高松「え?」
白石「あのね、なあちゃんはね、高松君に卒業を言ったの後悔しているの。それで高松君が、色々考えているんじゃないかって。」
高松「・・・」
白石「そうじゃないんなら、すぐになあちゃんに言うべきだと思うけど、どうなの?」
高松「・・・」
言わなきゃ言えないのは、わかっている。
だけど・・・
自然と手に力が入る。
拒んでいるんだろう。
白石「どうしたの?」
高松「・・・」
どうする?俺は・・・
高松「すぅ〜、はぁ〜。」
白石「・・・」
高松「人を殺した。」
白石「・・・え?」
高松「人を殺したんだよ。直接手を降していないけど、俺はこの手で人を殺したんだよ。だから、俺は言うことを拒んだんだよ。」
白石「・・・」
高松「七瀬さんの卒業を聞かされて、俺はどうすべきか迷った。俺は罪人で、七瀬さんはマルチ活躍する女優になる。それを知った周りの人間・・・」
白石「辛かったよね。」
高松「・・・え?」
白石「私たちのために黙ってたんだよね?偉いよ。弱々しく見えたって言っちゃってごめんね。」
高松「い、いや・・・俺は・・・」
白石「ううん、強いよ。でもその手で守ったものもあるでしょ?」
高松「・・・」
一応守ってきた。
ゲームの世界で暴走モンスター倒したり、飛鳥を守ったり、欅坂を爆発から守ったり・・・色々守ったと思う。
だが・・・
高松「だけど、生き残るために10人を死に追いやった。それも揺るがない事実だ。」
白石「・・・」
高松「だから、言いたくなかった。それに欅坂から1人卒業した。俺は、救えなかった。だから・・・」
白石「いいの。大丈夫。その子も高松君に救われたと思うよ。最後は、どんな顔してた?」
高松「そういえば・・・」
最後見送った時は、微笑んでいた。
高松「・・・」
白石「そうでしょ?大丈夫。みんな、高松君の味方で、高松君も私たちの味方でしょ?」
高松「・・・うん。」
白石「だから、大丈夫だよ。」
白石さんに頭を撫でられる。
最近なかったから、新鮮だ。
高松「・・・」
白石「そうだ。」
高松「???」
白石「乾燥まで時間あるし・・・」
高松「え?」
白石「寝ようか。かなちゃんも寝ているんだよね?」
高松「え、あ、はい?」
嫌われるどころか、迫られました。

満腹定食 ( 2022/01/15(土) 09:05 )