元不良見習いの奮闘記







































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第26章 欲望のままに
唐突な話
丸岡「寛太君、最近いいことあったの?」
高松「いや?全然。どうしてだ?」
丸岡「だって、顔色が明るくなってきたから、何かいいことあったのかな〜って。」
高松「そうか?全然、わからねぇーな。」
丸岡「寛太君は、そういうところは鈍感なんだよね〜。」
高松「うるせぇー。殴るぞ。」
丸岡「やめてよ〜。」
周りから最近明るくなったと言われるようになった。
まぁ、坂道メンバーのおかげだな。
それに骨折していた期間に丸岡と後輩が頑張ってくれたこともあるんだろうけど。
「高松さん、これどうすればいいっすか?」
高松「お、えっと、それはこうしてこうだ。」
「うわ、はやっ。」
高松「いや、ゆっくりでいいから。焦るなよ。市村。」
「う、うっす。」
丸岡の後輩の市村正樹。
丸岡のサークルに入って、すぐに丸岡と意気投合したらしい。
バイトもしたくて、色々探していたのもあって、紺色屋で働いている。
丸岡みたいに頭がいいから、すぐにやり方を覚えている。
さすが名門大学だな。
角田「それよりかんぼう。そろそろ魚を捌いたらどうだ?」
高松「・・・」
角田「無視するな〜。」
高松「いや、難しいから嫌だ。」
角田「何言ってんだよ。俺やヒデさんがいなくなったら、どうするんだよ。」
高松「それは、その・・・」
角田「はぁ〜、たく。やれよ?いいな?」
高松「・・・へい。」
〜〜〜〜
高松「明日仕事なのに、急に呼び出して何かあったんすか?」
西野「ちょっとだけな。呼び出したことは、ほんまに悪いと思ってるから。」
21時くらいに七瀬さんから、呼び出しを食らった。
まぁ、俺は何もないから飛んで来たけど。
でも、七瀬さんの部屋に入ってから、七瀬さんの雰囲気が少し暗い感じがする。
西野「あんな、驚かんといてな。」
高松「まぁ、はい。」
西野「実はな、私・・・」
高松「うん・・・」
西野「乃木坂やめるねん。」
高松「・・・え?」
西野「やめるって言い方悪いから卒業やな。」
高松「え?なんでっすか?」
西野「色んなことに挑戦したいから、卒業するねん。」
高松「いや、乃木坂にいても・・・」
西野「それでもよかってんけど、乃木坂にいるとできないこともあるからな。」
高松「そ、そうなんすね・・・」
俺は、動揺している。
何故だかわからない。
そりゃ乃木坂にいてもっと活躍してほしいと思っている。
けど・・・
高松「お、俺に言うのは違うと思うぞ。」
西野「うん、わかってる。けど、言っておこうと思ってな。」
高松「そ、そうっすか・・・それで、いつ発表するんすか?」
西野「一応9月20日に発表やねん。」
高松「え、マジっすか?」
西野「どうしたん?」
高松「い、いや・・・」
俺は、誰にも言っていないことがある。
それは、七瀬さんの卒業発表の日。
実は、俺の誕生日だ。

■筆者メッセージ
次に行きます。
満腹定食 ( 2022/01/11(火) 16:25 )