元不良見習いの奮闘記







































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第23章 仮想と現実の間で
宣戦布告の理由
高松「ん、ん、ここは?」
また知らない天井だ。
身体を起こそうとすると・・・
ズキッ!ズキッ!ズキッ!
高松「い、いぎゃ!!」
身体中に痛みが走る。
それに左前腕はギプスがしてある。
高松「いっ!!」
今わかることは、左前腕が折れているかヒビが入っているかと身体中が痛いこと、どこかの病院の個室にいるってことだな。
「目が覚めたか?」
高松「り、両さん・・・いっ!」
両津「動かなくていい。今のお前は、全身打撲と左腕は、ヒビ入っているのとあの時のダメージで少し治療がかかると言われているぞ。」
高松「そ、そうか・・・いっ!」
俺は、無理矢理起き上がる。
両津「無理しなくていいって言っているだろ。」
高松「起きるくらいさせてくれよ。いっ!で、ここはどこの病院だ?」
両津「中川グループの病院だ。ゲームが終わってから、2日経っている。治療費は向こう持ちだ。」
一昨日か・・・そんなに寝ていたのか。
両津「それに今回のバイト代は、大幅にアップ。それにお前が望むものをくれてやるって中川から言われたぞ。」
高松「おいおい、いいのか?」
両津「まぁ、世界じゃ無いけど、あと現場にいた巻き込まれた人間を救っているからな。」
高松「そ、そうか。」
両津「あとは、困ったことがあれば中川が助けてくれるってよ。それも報酬の一部って言ってたぞ。」
高松「いやいや、そこまでしなくてもいいだろ・・・」
両津「俺もそれは言ったが、中川がどうしてもってな。」
高松「はぁ〜、まぁいいわ。それより中川さんは?」
両津「今、親父と一緒に今回の騒動の質問に受け答えだ。」
高松「大丈夫なのか?」
両津「中川グループの株は落ちるが、その心配はないだろうな。けど、あのゲームは延期になるって言ってたぞ。」
高松「なるだろうな。いてて。」
両津「大将からは、お前が戻るまで丸に頑張ってもらうから、ゆっくり休めってよ。」
高松「それより、こんな状態なら無理だろ。」
両津「だろうな。それに今回のお前はすごかったってことだ。」
高松「いや、最後だけだろ?」
両津「その最後が、人間離れしていたってことだ。また中川から連絡が入るから、それだけは頭入れておけ。」
高松「わかった。」
両津「じゃ、わしは帰るぞ。」
高松「おぉ、じゃーな・・・いっ!」
手を挙げるだけでも身体中が痛い。
大将に連絡しようと思ったが、両さんがやってくれるからいいか。
ーーーー
次の日
身体の痛みは、取れていない。
寝返りうつだけで、痛みが走る。
ろくに寝れなかった。
何もないし、また寝るか・・・
ガララッ!
高松「誰だ?」
扉が開くや否や、勢いよく入ってくる。
高松「ぐぅ!!ぎゃぁ!!」
力強く抱きつかれる。
星野「あ、遅かった〜。」
西野「ほんま、私が目を離したら・・・」
高松「うるせぇー、ばーか。あんたが先だろ。」
西野「・・・先に手出したやん。」
高松「それは、あんたが先だ。」
西野「手出したやん。」
高松「はぁ〜、あんたも大概やな。」
西野「寛太もやん。」
高松「うるせぇ。いっ。」
頑張って抱きしめる。
やっぱり、この人が好きなんだなって感じる。
星野「・・・」
〜〜〜〜
西野side
寛太のお見舞いを終えて、仕事に行くためにタクシーを待っている。
星野「ねぇ、なあちゃん。」
西野「どうしたん?みなみ?」
星野「私ね、なあちゃんに高松君を取ることを言ったじゃん。」
西野「そうやな、今から1ヶ月半くらいやな。」
星野「実は、本気で高松君と付き合いたかったから、スカイツリーでキスをしようとしたの。」
西野「え、そうやったん?」
星野「うん、でもね・・・」
ーーーー
星野side
1ヶ月半前
スカイツリー
私は、高松君にキスをしようと顔を近づけたが・・・
パシン
手で止められた。
高松「・・・」
星野「なんでよ。」
高松「すまない、俺はまだできない。」
星野「別れたんでしょ?」
高松「別れたと思っているが、俺はまだあの人が好きなんだ。星野さん、感謝はしているけど、好きなのは七瀬さんだ。申し訳ない。」
ーーーー
星野「って、言われたの。」
西野「そ、そうなんや。」
星野「だからね、高松君がなあちゃんより私が好きになって欲しいから、あの事を言ったけど、無理だったよ。」
私、寛太に酷いことしたわ。
それにそんだけ、寛太に入り込んでいたって考えると恥ずかしい・・・
星野「なぁちゃん?顔赤いよ?」
西野「え?!そ、そんなわけないやろ!」
星野「もしかして、惚れ直した?」
西野「ち、違うから!!」
タクシーや仕事現場でも、ずっとみなみにいじられた。
ほんまにやめてほしかった。

■筆者メッセージ
拍手からいろんな考察が来てくれてありがたいんですけど、ちょっと違った話をするので本当に申し訳ないです・・・
満腹定食 ( 2021/12/27(月) 13:48 )