元不良見習いの奮闘記







































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第23章 仮想と現実の間で
手が届かなかった
両津side
西野「寛太!寛太!!」
中川「西野さん!落ち着いて!!」
高松が、モンスターに為すすべなくやられた。
そして、今ビルが崩壊している。
その中に高松が、いると思われる。
両津「中川!どうにかして、この中に入れないのか?!!」
中川「ダメです!色々とセキュリティーが、かかっています!」
「はっはっは!!もう終わりだ!!そのままこの世界を潰してしまえ!!」
両津「き、貴様!!」
「中川さん!チェーンロック2回目できます!!」
中川「今すぐにやってくれ!!」
「はい!!」
ボタンを押して、チェーンロックが発動する。
モンスター全体に鎖が巻きつく。
中川「どれくらい拘束できる?」
「待って10分です・・・」
中川「どうにかして、高松君の生存確認をしてくれ!」
「「「はい!」」」
西野「寛太・・・」
星野「なあちゃん・・・」
〜〜〜〜
「・・・い!・・・ぉい!・・おい!」
誰が呼びかけている。
高松「ん、ん。」
「生きているか?!」
高松「お、おっさん・・・」
「あぁ、そうだ!回復しろ!」
高松「あぁ・・・」
俺は、回復アイテムを取ろうとする。
しかし・・・
高松「ん?あれ?」
左手の感覚がない。
左手を見る。
肘から手までない。
高松「お、え、う、嘘だろ!!」
「落ち着け!とりあえず回復だ!」
高松「あ、あぁ・・・」
起きやがって右手を使って回復をする。
VRゴーグルの左上に何かが表示される。
[左前腕の回復時間 9分56秒]
高松「ま、マジかよ・・・」
「そうだろうな。だけどな、小僧。お前の置かれている状況がひどいぞ。」
高松「ぶ、武器は?」
「すまないが、それとピストルだけだ。」
指さしたのは、刀。
高松「そ、そんな・・・」
「さっきの戦いで、ビームサーベルは壊れ、シールドも焼き切られた。すまないが、この勝負に勝ちはない。」
高松「・・・」
「わかっているが、選択肢が2つだ。1つ目、俺の息子に許しをもらうか。2つ目、このままやられて死ぬか。どっちだ?」
高松「3だな。」
「あ?」
俺は、即答する。
高松「最後まで諦めず、戦う。それ以外ない。」
「おい!言っていることは、わかっているのか?!!」
高松「わかっている。だがな、俺がここであいつを倒さないとここでやられたプレイヤーが助からない。だったら、俺がやる以外ないだろ。」
俺は、そのまま立ち上がり、ビルから出ようとする。
「おい!正気か?!」
高松「正気だ。俺は、帰らないといけない理由もある。だから、戦う。止めてくれて嬉しいが、これが俺の使命だ。」
歩こうとするが・・・
高松「うぅ・・・」
あまりの攻撃だったため、歩くのにも痛みが走る。
「お、おい。」
高松「や、やるしかないんだよ・・・」
「・・・小僧。」
高松「なんだよ。おっさん。」
「俺がお前の回復時間を稼ぐ。それまでここから出て隠れていろ。」
高松「どうするだよ。戦うことすらできないだろ。」
「なんとかしてみせる。」
〜〜〜〜
両津side
両津「中川!攻撃することはできないのか?!」
中川「今、それをやっています!けど、妨害が・・・」
「俺のモンスターが成長している証拠だよ。さっさと世界を明け渡せ。」
両津「そんなことできるか!」
「な、中川さん!」
中川「どうした?!」
「得体の知れないキャラが出て来ました!」
中川「え、え?!」
〜〜〜〜
「おい!止まれ!!もう1人の俺!」
高松「・・・」
痛みに耐えて、なんとかモンスターの近くのビルに移動した。
回復アイテムで早くできないのかと思い、使ったができなかった。
とりあえず待つことしかできない。
「怒りを覚えているのは、わかる!だけどな!そんなことしても無駄だろ!それがわかっていないのか?!」
モンスターは、おっさんの話を聞いている。
「だったら、戦うことをやめてくれ!」
モンスターは、おっさんに顔を近づけた。
「わかって・・・」
「ギャァ!!!」
声は届いてなかった。
その拍子に鎖がちぎられた。
モンスターは、おっさんを握った。
「うわぁ?!!」
高松「お、おっさん!!」
「こ、小僧!!すまん!!あぁ!!!」
力強く握られている。
高松「や、やめろ!!」
「こ、小僧・・・あとは・・・」
ブヂュン!!パリーン!!
高松「あぁ・・・お、おっさ〜ん!!!」
おっさんが握りつぶされた。
〜〜〜〜
両津side
星野「ぐ、グロい・・・」
西野「ひ、ひどい・・・」
「はっはっは!!なんとでも言え!!」
両津「このや・・・」
中川「先輩!ダメです!!」
「もういいだろ。あいつも最後の・・・」
「グォ〜!!!」
「な、なんだ?!」
モンスターが痛がっている。
モンスターの肩に誰かいる。
星野「あ、あれは・・・」
西野「か、寛太!!」
〜〜〜〜
高松「おい、ぶっ殺してやる。」
俺は、自然と刀を抜き、モンスターに攻撃していた。

満腹定食 ( 2021/12/26(日) 19:01 )