元不良見習いの奮闘記







































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第21章 深みを出すならスパイスを入れろ
向こうから
ジャー!ゴシゴシ!
高松「はぁ〜、めんど。」
ひらがなけやきメンバーに飯を食わせて、洗い物をしている。
丸岡は、この後学部の仲間で遊びに行くって言ってたから、そっちを優先させた。
カレーの洗い物は、めんどくせぇ。
焦げないように煮込んでいても、底は少し焦げている。
それに汚れがこびりつくため、中々の力仕事だ。
店で出している鶏の煮込みは、継ぎ足しでやっているため、洗う心配はない。
「手伝うよ?」
高松「いや、いい。もう少しで終わる。」
「えぇ〜、なんでよ。」
高松「うるせぇーよ。柿崎。」
柿崎「じゃ、ここで待たせてもらうね。」
高松「はいはい。」
ジャー!ゴシゴシ!
柿崎「聞きたいことがあるんだけど。」
高松「なんだ?」
柿崎「どっちから、好きになったの?」
高松「たぶん、向かう。キスも向こうから、何もかも向こうだ。」
柿崎「へぇ〜、男なのにね。」
高松「うるせぇー。何もないなら帰りやがれ。」
柿崎「どうせ、帰っても暇だから、ここにいる。」
高松「たく・・・」
柿崎「あれ?そのペットボトルは何?」
高松「ん?鶏油。」
賄いで、鶏皮ポン酢丼を作ったが、鶏皮が結構余った。
残すのも勿体無いから、油にして持って帰ろと思い、鶏油にした。
明日の賄いで使う予定だ。
柿崎「ふ〜ん、これで何を作るの?」
高松「ん〜、炒め物だな。」
柿崎「食べてみたいな〜。」
高松「店に来たらな。」
ジャー!ゴシゴシ!
高松「うっし、終わった。帰るわ。」
柿崎「じゃ、一緒に帰ろ。」
高松「ハァ?俺、電車じゃないから。」
柿崎「え?!何で来たの?」
高松「バイク。それじゃ。」
柿崎「待ってよ!!私も乗るから!!」
俺の服を掴んでくる。
高松「ヘルメットがないだろ!!」
柿崎「借りてくるから!!」
高松「いや、ねぇーだろ!」
柿崎「今から探してくるから!!」
高松「すぐに見つかるわけないだろ!!」
柿崎「着替えてから間に見つけてきたら、いいんでしょ?!」
高松「ふっ、そんな簡単に見つかるわけねぇーだろ。」
柿崎「言ったね。じゃ、行ってくる。」
高松「あ、ちょ・・・たく。」
〜〜〜〜
柿崎「あったよ〜!」
嬉しそうにヘルメットを持ってきた柿崎。
高松「な・・・なんだと・・・」
柿崎「ほら、早く行こ!」
高松「はぁ〜、なんでだよ・・・」
柿崎「ほら!早く!!」
高松「うげぇ〜。
〜〜〜〜
ブロロ〜!
柿崎「わ〜!!気持ちいい〜!!」
高松「しっかり掴まっていろよ!」
柿崎「わかってる!!」
相棒に跨り、柿崎が住んでいる部屋に向かっている。
流石、街乗りに適していると書いてあったが、乗ってみて改めてそう感じさせられる。
柿崎「あそこを左ね!」
高松「はいはい。」
ブーン!キィィッ!
高松「着いたぞ。」
柿崎は、バイクから降りてヘルメットを取る。
柿崎「うん!ありがとう!」
高松「じゃーな。」
柿崎「また乗せてよ!」
高松「いつになるんだよ。連絡先知らねぇーのによ。」
柿崎「じゃ、お店に連絡するから。」
高松「やめろ。じゃーな。」
柿崎「連絡先くらい、教えてよ!!」
高松「うるせぇー!」
「うるせぇーぞ!痴話喧嘩なら他所でやれ!!」
全く知らないおっさんに怒られた。
高松「はぁ〜、一回しか言わないぞ。」
柿崎「わかった。」
高松「090XXXX〇〇〇〇。」
柿崎「うん!入れたよ!」
高松「じゃーな。」
エンジンをかけて、紺色屋に戻る。
ーーーー
数日後
Prrr
高松「はい、も・・・」
柿崎『迎えに来てね。場所は、〇〇ね。』
高松「はぁ〜、はいはい。」
今は、午後22時半。
一緒に帰れよ・・・
植村「どこに行くんだ?」
高松「〇〇です。」
植村「ふ〜ん。帰りにスーパーで、これに書いてある物を買ってこい。いいな。」
高松「はい。」
はぁ〜、めんどうせぇ。

満腹定食 ( 2021/12/14(火) 09:31 )