元不良見習いの奮闘記







































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第18章 心が通じていれば
その時は突然に
父「なぁ、寛太。」
高松「ん?何?」
父「最近、少しウキウキしているように見えるんだけど、何かあったのか?」
高松「うん、少しだけ。」
父「そうか。父さん嬉しいぞ。」
高松「本当?」
父「あぁ、ここに来てやっと寛太のそんな感じが見れて、嬉しいよ。」
高松「なんか、恥ずかしいな〜。」
父「そんなものだよ。」
最近、声をかけた女の子とベンチで話すことが楽しみになってきた。
だけど、何故か名前を聞くことを忘れてしまう。
最初は、会話が弾まなかったけど、少しずつ女の子も笑うようになってきました。
ーーーー
高松「さぁ、今日も行こうかな。」
またいつもの、ベンチに向かう。
楽しみだ。
〜〜〜〜
高松「あ、いた。お〜い!」
「あ、どうも!」
初めて会った時より元気が溢れています。
今日こそは、名前を聞こう。
高松「学校は、どう?」
「楽しくないですけど、ここに来るのが楽しみで来ています!」
高松「そうなんだ。僕と話すことは、そんなに楽しい?」
「はい!クラスのみんなは、私を避けてるように感じているので・・・」
高松「ん〜、なんでだろうね。」
解決してあげたい。
けど、そんな力はないのはわかっています。
それだから、考え・・・
「あ、いたいた。」
「こんな所にいたのかよ。賀喜。」
「え、なんで。」
女の子は、賀喜さんと言うらしい。
名前を呼んだ人たちは、何か関わりがあるらしい。
高松「あなたたちは?」
「どうも〜、賀喜のクラスメイトでーす。」
「賀喜、こんな所で男を口説いていたなんて。」
賀喜「ち、違う。」
「え?どうして?さっきまで楽しそうだったじゃん。」
賀喜「そ、それは・・・」
「それだったら、うちらが連れてきた男と話ししてあげてよ。」
「ほら、来なよ。」
賀喜のクラスメイトの後ろから、男の人がぞろぞろ出てきた。
手には、鉄パイプや木材を持っている。
高松「賀喜さん、後ろに来て。」
賀喜「い、いや・・・」
賀喜さんは、怯えている。
僕がなんとかしないと。
「おぅおぅ?ヒーロー気取りか?」
「だったら、お前からやってやるよ!」
鉄パイプが降り下される。
高松「おぉ?!」
躱したけど・・・
「後ろも見な!うりゃ!」
ボコン!
高松「んぎゃ!」
賀喜「た、高松さん!」
あ、あ、い、意識が・・・
〜〜〜〜
賀喜side
私の目の前で、最近お話を聞いてくれる人が殴られた。
バタン!
賀喜「た、高松さん!」
私は高松さんに近づき、身体を揺らす。
反応がない。
「ほら、賀喜。来なよ。」
男の人に制服を引っ張られる。
賀喜「い、いや!離して!!」
「うるせぇーな!早く来い!」
賀喜「い、いや!助けて!!」
「黙れ!来い!」
賀喜「い、いや!助けて!!誰か!!」
「うるせぇーって!」
「い、いってぇ。なんだこれ?あ?血?なんでだ?」
私の後ろから口調が荒い声が聞こえた。
クラスメイトや男の人は、固まっている。
私は、後ろを振り向く。
「あ?なんだ、この状況。俺なんで血が流れているんだ?よくわからねぇーが、まぁ、目の前のことを処理しようか。」
さっきまで弱々しい姿ではなく、強い感じがする高松さんが立っていた。

満腹定食 ( 2021/11/29(月) 00:24 )