元不良見習いの奮闘記







































小説トップ
第16章 節目の思い出は作っとけ
記念撮影
父「か、寛太・・・」
高松「帰る。」
亀川「あ!!ちょっと!!」
俺は制服を脱ぎ捨てる。
ここに来た理由は聞きたくないし、親父に会いたくなかった。
「おい、待ちな。」
高松「た、大将。」
その後ろに大将が立っている。
大将は、何故かいつもの割烹着を着ている。
植村「おい、たこ。嫌かもしれないが、親父さんと写真は、撮ってやれ。」
高松「な、なんでですか?そこにいる男は、俺を見捨てて自分勝手に生きていた人間だ。そんな人間と写真を撮るのは、おかしいだろ。」
植村「確かにそうかもしれない。」
高松「だったら・・・」
植村「だがな、それでも親だろ。写真の一枚くらいは撮ってやれ。」
高松「で、ですけど・・・」
植村「離れても親は、親だ。写真くらいは撮れ。」
高松「う、うっす。」
俺は、脱ぎ捨てた制服を拾い、着直す。
高松「今日は、大将の頼みだから聞いてやるよ。」
父「え、あ、うん。」
亀川「それじゃ、そこに立って。」
俺と親父は、亀川に言われた場所に立つ。
その時に少し距離を空けようとする。
亀川「はい、ちょっと近づいてね。」
高松「チィッ。」
バレた。
少し近づく。
亀川「お父さん、息子さんの肩に手を置いてください。高松君は、嫌な顔しないでね〜。」
高松「はぁ〜。」
言われた通りにする。
亀川「はい、撮るよ〜。」
カシャ!
亀川「ん〜!OK!!」
高松「だとよ。」
父「あ、あぁ。」
親父は、俺から離れる。
植村「おい、俺と撮るぞ。」
高松「え?」
大将と写真?
植村「ほら、早く。」
高松「え、あ、はい。」
亀川「植村さん、高松君の隣に。」
大将が俺の横に立つ。
亀川「高松君、さっきより顔固いよ〜。」
高松「う、うるせぇーよ!」
大将「ほら、笑えよ。」
高松「う、うっす。」
亀川「撮るよ〜。」
カシャ!
〜〜〜〜
植村side
たこが着替えている間、少し待っている。
一緒に帰るためだ。
父「本当にありがとうございます。」
深く礼をする親父さん。
植村「いえいえ、どうでしたか?」
父「あれから顔つきが変わりましたね。やっぱり、若いですよ。」
植村「そうですな。たこは、あの短期間で色んな経験をしましたよ。それが、今のたこを作ってますよ。」
父「これで、息子と会うのは最後になるんでしょうか・・・」
植村「それは、あんた次第だよ。写真を見て、その日が来るまでなんとかするんだよ。」
父「わ、わかりました・・・」
植村「あとは、こっちでなんとかします。」
父「何から何まで・・・本当にありがとうございます。」
また深く礼をする。
父「では、私はこれで・・・」
そのままたこの親父さんは帰っていく。
高松「着替えました。」
植村「帰るぞ。」
高松「へい。」
俺とたこは、店に帰る。

■筆者メッセージ
亀川といい関係にするつもりはありません。
満腹定食 ( 2021/11/17(水) 17:43 )