元不良見習いの奮闘記







































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第15章 冬の魔法
クリスマスの魔法
高松「よっこいせっと。」
角田「どっこいせ。」
食材が入った発泡スチロールや段ボールを運んでいる。
今日使うものだ。
そう、クリスマス。
ひらがなけやきが貸し切る日だ。
昼休みの時間を短くして、準備をしている。
角田「大将、あと何を運んで来たらいいんですか?」
植村「そうだな。キャベツとトマトだな。卵と牛乳は?」
高松「まだです。」
植村「それは、お前の役割だ。先に作っとけ。」
高松「へい。」
角田「あ、そうだ。また大将の友人から届いていましたよ。」
植村「今度は、なんだ?」
角田「いちごっす。」
植村「そうか。たこ、ミキサー使ってイチゴを使え。」
高松「へい。」
角田「かんぼう、1人でできるよな?」
高松「大丈夫だ。」
さぁ、ここから俺の仕事だ。
メインは、角田と大将が作る。
俺は、デザートのプリンを作る。
この前はかぼちゃプリンだったが、今回はいちごプリンを作る。
前回と同様の作り方でやる。
植村「それ終わったら、こっちを手伝えよ。」
高松「へい。」
〜〜〜〜
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
「「「お邪魔しまーす!」」」
井口「食べ物がいっぱいある!!」
久美「こら!バウちゃん!」
金村「お寿司はありますか?!」
角田「すまん、今日はない。」
丹生「美玖、残念。」
テーブル席を全部繋げて、その上に作った料理を出している。
唐揚げ、シチュー、サラダ、刺身を出している。
もちろん、米とパンも用意してある。
植村「皿と割り箸は、カウンターの上にあるものを使ってくれ。」
角田「おかわりは、用意してあるからどんどん食べてくれよ。」
「「「は〜い!」」」
久美「それじゃ!みんな!!手を合わせて!!!」
「「「いただきまーす!!」」」
加藤「めっちゃ美味しいんだけど!」
美穂「しほさん!唐揚げ取り過ぎです!」
河田「シチュー美味しい〜。」
濱岸「ひな、私にもちょうだい。」
高本「めい、口についてるよ。」
東村「ありがとう、あや。」
高瀬「サラダも美味しいな。」
芽実「ドレッシングってオリジナルな感じがするね。」
宮田「ま、眞緒さん!取りすぎですよ!」
井口「大丈夫!全部食べれるから!」
料理に群がるひらがなけやきメンバー。
それぞれの反応をしていて、面白い。
金村「高松さん。」
高松「ん?」
金村「一緒に食べないんですか?」
高松「まぁ、一応勤務時間だからな。」
金村「でも、いいんじゃないんですか?」
高松「いやいや、今日はお前たちが楽しむ時間だ。ほら、相棒が待ってるぞ。」
金村「え?」
金村の後ろに立っている。
金村「あ、菜緒。」
小坂「美玖、食べてないけどいいん?」
金村「いや、食べるよ。けど、高松さんは食べないのかなって聞いているの。」
小坂「そうなんや。けど、あかんのちゃうん?」
金村「やっぱり、そうだよね〜。」
高松「そう言うことだ。残念だけどな。」
まぁ、今は仕事だ。
大将の言う通り、客の要望に応えるのが仕事だと思う。
だが、俺はあくまでバイトだ。
参加できるわけ・・・
植村「たこ、参加しろ。」
高松「はぁ?なんて言ったんすか?」
植村「今日は、特別だ。参加しろ。」
高松「いや、ちょっと、仕事中ですよね?」
植村「仕事であって、仕事じゃない。別にいいだろ。ほら。」
角田「かんぼう、大将の言葉に甘えろ。」
高松「う、うっす。」
金村「やった!高松さん!早く!!」
高松「はいはい、待て待て。」
俺は、エプロンを外す。
久美「高松君の登場だよ!!」
美玲「早く来て〜!」
高松「待て待て。先に出すものがあるから待ってな。」
京子「何?何?」
俺は、冷蔵庫からプリンを出す。
好花「あ!!プリンやん!!」
富田「マジ?!超上がるやつじゃん!」
潮「私、この間食べれなかったから、嬉しい!!」
高松「今回は、欅坂がいねぇーからしっかり俺のプリンを堪能しろよ。あと1人2個な。」
「「「やった〜!!」」」
何故か俺のプリンは、人気がある。
カウンターに置き、テーブルに置いてある料理を取りに行く。
高松「やっぱ、うまいわ。」
毎日食っているが、クリスマスって言うだけで飯がうまくなる気がする。
金村「高松さん、こっちで食べましょ。」
高松「いいぜ。」
久美「いや、こっちで食べよう!」
高松「え、いや・・・」
芽実「高松!!こっちだよ!!」
高松「お、お・・・」
井口「高ま・・・」
高松「お前は、来るな!!」
何故か俺の周りに群がってくる。
高松「め、飯食わせろや!!」
角田「かんぼう、楽しそうですね。」
植村「そうだな。」
金村「高松さんは、渡しません!!」
芽実「美玖!離れなよ!」
高松「お、おい!皿置かせろ!!」
久美「2人とも危ないよ!!」
〜〜〜〜
飯もほぼなくなり、片付けをしている。
電車で帰るメンバーは、すぐに帰っていった。
県外組は、迎えを待っている。
潮「あ、あの、お手伝いしましょうか?」
高松「いや、大丈夫だ。迎えが来るまでゆっくりしときな。」
潮「う、うん。」
俺と角田は、皿を洗う。
大将は、まな板や包丁を見ている。
美穂「美玖、にぶちゃん、私の親が送ってくれるって。」
丹生「本当?!美穂、ありがとう!!」
金村「あ、ありがとう。」
潮「愛萌ちゃんとすずちゃんは、私の父が送ってくれるって。」
宮田「ありがとうございます。」
富田「さすが、なっちょさん!」
親か・・・
クリスマスは、小学生までだったな。
この時期も喧嘩ばっかりだった。
去年はここで働いていた。
とことん縁がなかったな。
植村「おい、たこ。迎えが来たら、表に出ろ。」
高松「あ、はい。」
美穂「あ、着いたみたい。行くよ〜。」
丹生「わかった!」
金村「準備するね!」
3人は、店を出る。
俺も出ていき
高松「ありがとうございました。」
美穂「美味しかったです!」
丹生「また来ます!!」
高松「正月も来るだろう?」
丹生「あ!そうだった!」
高松「たく・・・」
丹生「では!また!!」
高松「はいはい。」
2人は、車に乗り込んでいく。
金村「あ、あの・・・」
高松「どうした?」
金村「た、高松さん!」
高松「ん?」
金村「ん!」
高松「おぅ?!」
金村は、俺の頬にキスをしてきた。
美穂「美玖〜!!行くよ〜!!!」
金村「じ、じゃ!さようなら!!」
金村は車に乗り、そのまま走り出す。
高松「お、おい。マジかよ。」
俺は、呆気に取られてしまった。
〜〜〜〜
金村side
金村「や、やっちゃった・・・」
丹生「美玖?どうしたの?顔、赤いよ?」
金村「だ、大丈夫だよ!!」
家に帰るまで、顔が熱かった。
高松さんにキスをしたんだから。

満腹定食 ( 2021/11/10(水) 17:25 )