元不良見習いの奮闘記







































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第13章 温もりって大事
人って温かい
西野「ほら、入って。」
高松「お、お邪魔します・・・」
西野さんの部屋に入る。
いい匂いで、綺麗だ。
なんと言うか、イメージ通りだ。
西野「こっちやで。こっち。」
西野さんは、ソファーに座りその横を手でポンポンって叩く。
高松「え、いや、その・・・」
西野「早く。」
高松「は、はい。」
西野さんの隣に座る。
西野さんは頭を抱き寄せて、優しく撫でられる。
高松「え、あの・・・」
西野「寂しかったんでしょ?」
高松「え?」
西野「偉いね。私もお母さんやお父さん、お兄ちゃんがいたからここまで来れたけど、高松君は全部1人で生きて来たんやから、偉いね。」
高松「お、俺は偉くないですよ。タバコ吸って、犯罪紛いなことして、身体にタトゥー入れて・・・」
西野「やけど、人を助けようとしてたやん。それに1人で生きていこうとして、色んなこと学んでいるやん。偉いよ。」
高松「そ、そんなことはない。」
西野「自信持って。私たちでも、できないことをやっているんやから、大丈夫。」
高松「そ、そんなことは・・・」
やべぇ、涙出てきた。
西野「いいの、いいの。泣いていいよ。そうやって頑張って来たんだよね。すごいよ。」
高松「お、俺は・・・」
西野「弱くないよ。強いよ。弱音を吐かずにここまで生きてきたんだから。」
高松「うぅ、ぐずっ!」
西野「偉い、偉い。」
高松「うわぁっ!あぁ!!」
西野「うん、うん。」
西野さんは、大勢を変えて俺を抱きしめる。
そのあと、背中を軽く叩く。
高松「ぐずっ!!うぅ!わぁぁ!!」
西野「いいよ。弱くてもいい。」
〜〜〜〜
30分後
高松「ず、ずみまぜん・・・」
西野「大丈夫やで。汚れてもいい服やし。」
高松「うぅ。」
西野「こんな一面もあるんやな。よしよし。」
高松「恥ずかしい・・・」
西野「いいのよ。私しか知らない一面ができたんやから。」
にっこりと笑う西野さん。
高松「あと、人間ってこんな温かいんすね。」
西野「そうやで。それより高松君、めっちゃあったかいな。」
高松「い、いや〜。」
西野「ねぇ、高松君。」
高松「はい?」
西野「こっち向いて?」
高松「え?何・・・ん?!」
一瞬何がわからなかったが、西野さんがキスをして来た。
高松「んあ!!何しているんすか?!」
俺は、西野さんから離れる。
西野「ん?ここまで頑張って来たご褒美。どう?」
高松「い、いや!その!!」
西野「もしかして?初めて?」
高松「そ、そんなことは・・・」
西野「ふふふ、可愛い。」
高松「・・・っ!!」
西野「それに前みたいに生き生きしているで。それともまたする?」
高松「し、しません!!」
西野「えぇ〜、残念・・・」
俺は、すぐに紺色屋に戻り、大将と白村、角田に謝り厨房に戻った。

満腹定食 ( 2021/11/03(水) 20:04 )